遠距離。 _kwkm ページ20
『好き。』
彼に向けた言葉が、彼の居ない部屋に響く。
『なんで、会えないのかな。』
届くはずもないのにポロポロと言葉を零す。
『私たち、やっていけるのかな。』
不安を口に出してみるが現実感となって耳を通り私の頭の中に帰ってくる。
『ねぇ、私でいいの？』
よく私が拓朗に言った言葉で。
『お前だからいいんだよ、』
拓朗はいつもそう返してくれた。
『拓朗の声で、聞きたいなぁ。』
その時、ひとつの通知音が鳴った。
『たくろっ…？』
少しの期待を抱き開く。
そうすると目に入ったのは今まで呼んでいた彼の名前だった。
『たくろう…！！』
〈最近忙しくて連絡出来んくてごめんな。
明日お前ん家行けるようになったんだ。
明日空いてる？
空いてたら会おう。〉
彼がいうなら、無理矢理にでも空けてやる。
《全然大丈夫だよ。
私こそ連絡しなくてごめんね。
明日空いてるよ、いつでも家来ていいからね。》
全然大丈夫、なんて、嘘っぱち。
私は連絡できなかったんじゃなくてしなかっただけ。
彼の重荷にはなりたくなかったから。
重い女なんて、彼はきっと、好きにならないから。
きっと、大人で、たまあに弱音を吐くぐらいの、
強い女がいいから。
私はそれを演じる。
辛くなんてない。彼のためだから。
彼が嫌な思いをするよりは、私がした方がいい。
そんなの当たり前だから。
〈ほんと、よかった。
明日はお前ん家でゆっくりしたい。〉
《もちろん。ごろごろしよう。》
…そうだよな。
家に来て貰えるからって、くっ付けるわけじゃない。
彼だって疲れている。
そんなこと、わかっている。
ただ、今だけ、今だけは、
あなたに聞こえないところで、
『寂しいよ。』
『ねぇ、寂しい。会いたい。』
『拓朗は寂しくないの？』
『そっちでいい子見つけたのかな。』
『私なんて、』
『あなたの人生の中の、』
『なんてことない人なのかな。』
『でもね、私はね、』
『私の中ではね、』
『拓朗が、今までで一番好きになれたんだ。』
『こんな気持ち知ったの初めてなの。』
『あぁ、これからも好きなんだろうなぁ。』
あなたへの愛を、叫ばせて。
ー当日ー
「会いたかったよ。」
『へ？』
「めっちゃ寂しかったぁ…」
彼は疲れているけど、私で癒されるなんて言ってくれた。
少しは、自信もってもいいのかな。
あわよくば、俺だけ。 _wtnb→←どちらにしましょう。 _sgi
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フェレット(プロフ) - いろさん» してみたされてみたシリーズのkwkmさん良かったです、私も優しくしていろさんを泣かせたいと思います() (2020年1月19日 18時) (
レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - 皆様が優しすぎて泣きそう (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
まつりか(プロフ) - いろさん» いろさまさまです！気長に待ってますね！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: e802cc95c8 (このIDを非表示/違反報告)
フェレット(プロフ) - いろさん» 凄く良かったですよ！またリクエストさせていただきます。 (2020年1月19日 18時) (レス) id: 88923771a6 (このIDを非表示/違反報告)
いろ(プロフ) - まつりかさん» ありがとうございます…が私のペースになってしまいますが必ず全て書きますのでお待ちください…！ (2020年1月19日 18時) (レス) id: 5fbef9d1c0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いろ | 作成日時：2020年1月11日 23時
