『さよなら・・・』聞いて (ページ30)

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その次の日もその次の日も殴られ続けた。でも、私達は大声で泣いたり叫んだりしなかった。大声を出すと更に酷くなるから。
良く動きを見て急所に当たらないようにした。
当たり所が悪いと、弟達の用に死んでしまうから。でも、体のどこかは殴られないといけなくて、大変だった。
冬の日の夜、とても寒くて凍え死んでしまうかと思ったら、小さい汚く汚れた薄い布を兄さんが持ってきた。
そして、兄さんが私を抱き締めて布にくるまり、
「大丈夫だ。俺ら二人なら怖くない。寒くさえも吹き飛ばせる！！」
と、言った。
私は兄さんといれば、怖くなかった。
でも、ある日私と兄さんは売りに出された。私はすぐに買い手が見つかったが、兄さんはなかなか決まらなかったようだ。
私は養子の人に兄さんもと頼んだ。
養子の人は渋々了承してくれた。
とても、私には優しい人だった。
でも、兄さんにはとても冷たい人だった。
家事全てを兄さんに押し付けて、私が手伝おうとすると、それを邪魔した。
でも、部屋は同じだったから、いつも夜中まで話してた。
でも、それが当たり前じゃなかった。
いきなり「今日は疲れたから寝るな」と言われた。本当に頑張ってるからと思っていた。でも、それが毎日になった。会話も減って心が離れ離れになっていった。
そしたら、いきなり兄さんは倒れた。
驚いた。義理の両親に頼み、ベットに兄さんを横にしてもらった。