Agapanthus (ページ48)

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スマホページ48

･A

ある日の夜。

ロビーのポストに怪しげな封筒が入っていた。

差出人は……

｢……ソクジンさん。｣

すぐ隣の隣の住所とサインが書かれてあって、きっと直接僕のポストに入れたのだろう。

マネヌナに見つからないようにカバンに入れて、その日は足早に部屋に入った。

封筒の中身は……

｢スマホ……！｣

電源をつけると、既に色々と設定されてるみたいで壁紙はBTSのみなさんの集合写真。

連絡先を見てみると七人分きっちり登録されていた。

｢……。｣

これで、メールとかできるんだ。

検索できるのもある。

ヌナのスマホと何ら変わりないから、早速調べ物。

"BTS"と打ち込んで、画像や動画を漁ってみる。

ずっと出来なかったことだ。

数々と記録に残っている成績、経歴、あとはファンの声。

やっぱりすごい人たちだ。

……そんな人たちが、なんで僕を。

考えこんでいたそのとき。

ブルブルとスマホが振動して、電話がかかってきた。

慌てて通話ボタンを押したけど、誰か確認するの忘れた……！

｢も、しもし……｣

JK『もしもし？A、今大丈夫？』

この声は……多分、ジョングクさん。

｢ジョングク……さん？｣

JK『うん、そうだよ。』

｢今は、大丈夫……です。｣

JK『よかった。』

少しだけ沈黙が続く。

一体なんの用事だろう。

バクバクと心臓が波打つ。

JK『この前のこと、ずっと謝りたくて。』

｢……え？｣

JK『あれから時間が経ちすぎて、ってか忙しくて、もう許して貰えないかもしれないけど……っ、ごめん、』

ん？

なんの事だ？

……あ。

あの日、めちゃくちゃに、された、

｢僕は、気にして……ないです。｣

気にしてないってのも変か。

JK『え？』

｢いや、あの、……っ、怖かったけど、｣

けど……？

僕は、

｢僕は、皆さんのこと……｣

JK『……。』

｢好きだから、｣

そう、すきだから。

すきだから、何されてもいいって？

僕はそんなバカげたことを口にしようとしてる。

急に理性が働いて、その先を言い淀んだ。

言ってはいけない気がする。

だめ、だめだ。

JK『俺達のこと……好きなの？』

｢……！｣

JK『ありがとう、すんごく嬉しい。』

｢……あの、｣

JK『なぁに？』

ふわふわ甘い声が聞こえる。

｢次は……皆さんに、いつ会えますか。｣

次を期待してる。

僕は、彼らの沼に一体どこまで浸かっているのだろうか。