Agapanthus (ページ2)

今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:259,543 hit

女神ページ2

･A

｢……。｣

たまにあるだろう。

あることない事が記事に書かれることって。

mn｢どうしたのA、スマホ持って固まって。あんまり画面を見すぎると目に良くないよ。｣

｢ねえ見てヌナ、この記事嘘ついてる。｣

mn｢んー……？｣

僕は芸能人。

カン･A。

7歳の時から俳優とかモデルとか色々やってる。

マネージャーはコロコロ変わるけど、今のマネヌナが一番続いてる。

これまでのマネージャーは男も女も過干渉だった。

けど今のヌナはいい距離感。

逆に僕に興味無いっぽい。

mn｢天使カン･Aの住む高級マンションは江南にある……って書いてるね。｣

｢うん、テキトーばっか。｣

mn｢こんなのネットに溢れかえってるよ。はいスマホ返して。｣

｢あぁっ、｣

マネヌナが僕の手からスマホを取り上げる。

1日5分のエゴサーチ用にしか使わせてもらてないスマホ。

僕はスマホ持ってないからヌナのやつ。

mn｢エゴサなんてやめなよ、嫌なものも目に入るでしょ？｣

｢ファンの声が聞きたいの。｣

色んなものを制限されてきた生活にも慣れた。

僕の容姿や演技を褒めてくれる人がいる限り、僕自身も嫌になったりはしないかな。

mn｢なに食べる？｣

｢なんでもいい、ちょっと太りたいからカロリー高いおいしいのが良い。｣

mn｢あぁ、次の役の為ね。｣

昨日クランクアップした闘病中の少年の役の後は恋愛ものだからもう少しふっくらして筋肉つけないと。

ヌナが作ってくれたジャージャー麺を食べながらスケジュールの確認と、番宣のバラエティー番組のアンケートとった。

ヌナが口頭で聞いてくれるのに回答するんだけど……

mn｢好きな芸能人、今会いたい人、憧れの先輩……全部空白ね。｣

だって知らないし。

mn｢初恋エピソード、忘れられない友情話、地元の友だち、親子エピソード……｣

｢親子ならある。5歳の頃、動物園に行った。｣

mn｢薄い。｣

｢酷い。｣

恋とか友情とか、そんなことしてる暇ないもん。

mn｢恋愛ドラマとか、スポ根ドラマとかいつもどうやって役作りしてるの？｣

｢それもアンケートの質問？｣

mn｢いや、私の個人的な質問。｣

うーん……

｢暇が無いなりに頑張ってるんだよ。中学の時なんか、たまにある登校日に部活生を見たり、告白現場を覗いたり……｣

mn｢えっ、そんなことしてたの。怖すぎ。｣

｢仕方ないじゃん。｣

想像には限りがあるんだから。