ラプラスの天使【d!】 (ページ1)

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第1話ページ1

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はぁ……はぁ……はぁ………

痛い……！

「うっ……！」

足の裏が破けた……痛い…苦しい……！

どうしてこんなに泣いてるの…？

どうしてこんなに走ってるの…？

どうしてこんなに心臓が破けそうなの…？

どうしてこんなに震えてるの…？

どうして私は

「！っ居たぞっ！こっちだっ！」

「っ！！」

どうしてこんな目に合ってるかなんて今はどーでもいい。

今は、早く生き残れる確信を得たい…！
死にたくないっ！！

私は暗い路地裏の中をとにかく真っ直ぐ走り続けた。

しかしどれだけ走っても知らない大人の声が聞こえて来る。13歳の子供の脚では逃げるにはやはり無理がある。

「ぁ…！」

は、挟みうちにされる…！

走る足を止め、後退りながら元来た道を引き返す。しかしどっちに行っても近づいてくる声が耳を刺激した。

まだあっちには私が見えてない…でも挟みうちにされたら捕まる…時間の問題だ。

私は周りをよーく見渡した。周りには高く古びた建物ばかり。それに狭い。できればあのゴミ箱にも入りたくない。

「なら…」

震える足と痛みを我慢して助走をつける。そして、雨水を下に流す用の竪樋(たてどい)に飛び付きしがみ着く。

走ったせいで息は上がるは腕は震えるはでこのパイプの上まで登れる気がしなかった。

でも、

「あぁっ！見つけたぞっ！」

「くっ……！」

何がなんでも登らないと…！生きれないっ！

ツルツルと滑って上手く登れない。足音が近付いてくる。その音のせいで私は焦り、お気に入りのぬいぐるみのようにぎゅっとしがみ付きながら、キィーキィーと音を立てて必死に登った。

爪が剥がれようが取れようが、そんな些細なことを気にしている余裕はなかった。

痛みも苦しみも悲しみも、今の状況でさえも、考える事をを停止。

私はただ必死に登って、生き残ることしか眼中になかった。

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