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第九話 ページ10

Aside
僕が入部してから4日。
とても楽しくやってる。
なによりも夜久さんのレシーブはとても楽しい。それに山本や黒尾さんが帰りによくアイスを奢ってくれるし、幸せ♪
でも朝練はやだ。すごく眠い。
ほら、今の僕、今まで寝ることはなかった授業で寝てるよ。

先生「〜となるから…猫羽ー、これ解いてみろ」
「ン"ン"ニ"ャ"ア"…」

こうやって当たることも増えた。
僕は黒板の問題を4秒見つめて、

「a=8、b=3、式はxの二乗+8x+3」
先生「…正解」

心の中でやったーあってたー、とか思いながらまた寝に入る。
少しすると誰かに頭を撫でられてる感じがする。
あったかい。気持ちい。
僕はなんとなく、ほぼ無意識に温かい撫ででてくれる誰かの手に目をつむったまま擦り寄った。
するとピシっと撫でていた手が止まった。

「ン?」

気になって顔を上げた。


夜久side
昼休み。
俺は午後の練習がオフになったことを伝えに山本とAの教室にきた。
山本は…いないな、Aは…あ、いた。

杏奈「あ、Aですか?」

Aの近くまで行くと、Aの前の席のこないだもいた女の子がいた。
当の本人は突っ伏して寝てる。
今日も朝練だったからな…

夜久「そうなんだけど、寝てるな」
杏奈「あ、じゃあ待っててください!私購買でAが起きるもの買ってくるんで!」

その子はそれだけ言って走ってどこかへ行った。
Aが起きるものってなんだ?
まぁいっか、とあの子の席に座ってスヤスヤ寝てるAを眺める。かわいい。
そう思ってAの頭を撫で始めた。
するとAは気持ちよさそうに俺の手に擦り寄ってきた。

夜久「ッ!!、」

やばい。これは、やばい。
撫でていた手はその場で止まり。体全体が固まったかのようだ。
心臓はうるさくて、すごい熱い。
すると寝ていたAが顔を上げ、はっきりとその青い眼に俺を写した。

夜久「っ…」
「あ、夜久さん……熱?」

その声で固まってた体を素早く動かし腕で顔を隠した。最悪だ…Aって鋭そうだし好きだってバレるかも…え、おれ好きなの?!うわぁ、まじか…まじかぁ…!

「ンニャア?夜久さん、体調悪い?」
夜久「あ、いや」
杏奈「お待たせしましたーって、A起きたのかよ、せっかくチョコで起こそうと思ったのに」
「チョコ?!」

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作者名:小豆 | 作成日時:2021年6月11日 15時

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