第五話 ページ6
夜久「敬語、慣れてないんだろ?俺には敬語使わなくていいから!じゃあな!!」
あの明るくて弾けるような笑顔と一緒にそれだけ言い残して教室から出て行った。
なんだろうあの笑顔、もっかい見たいな…
僕は夜久さんがいなくなってもドア付近をしばらく見ていると隣に立ってる山本がすごい大きな声で言った。
山本「放課後!!連れてってやるから!逃げんなよ!!」
それだけ言って山本も自分の席に戻っていった。
そんな逃げるだなんて、人聞き悪いぞ。
杏奈「Aが見学行くなんて珍しいね」
「え?」
僕の前の席でお弁当をパクパク食べてる杏奈。
ごめん、さっきまでいたこと忘れてた。
杏奈「Aってよっぽどのことがない限り放課後に予定入れないのに、珍しい」
「…僕、ああ言う人に弱いんだ」
杏奈「ああ言う人ってさっきの先輩?」
「うん。絶対僕より弱いのに、僕より強くて絶対曲がらないような目をした人。」
あそこまでまっすぐな目、初めて見た。
まっすぐすぎて合わせられた目を逸らさなかった。
杏奈「弱いのに強い?なんだそれ」
「ニャハハ♪感じがするってだけの話。」
きっと僕は、夜久さんには一生敵わないんだろうな、
ニャハー♪ヤダヤダ
いつかそう言う人に会うってわかってはいたけど、まさかこの高校にいるとはなぁ、
とりあえず山本は後で殴っとこう。
午後の授業もずっとボーっとして流しておいた。
先生の合図で帰り学活が終わった瞬間山本が、
山本「A!行くぞ!」
「…ン」
僕の席にお迎えが来た。
あの世へのお迎えじゃないといいなー、なんちゃって。
山本の案内の元、体育館に着いた。
山本「ちーっす!」
黒尾「お、山本ー…とえ?!女子?!山本が…女子と?!!」
なんかすっごいトサカみたいな頭の人が驚いてる。そんなにびっくりすることなのか…
てか、あの髪どうなんってんだろ。固めてるのかな?
山本「あ、こいつはマネの見学に来てもらった猫羽A、俺が唯一緊張しない女子です!!」
夜久「お!A!」
「ンニャ?夜久さん」
黒尾「えっ、何やっくんこの可愛い子と知り合いなの?」
それから選手の人たちから自己紹介をしてもらった。トサカの人は主将の黒尾さんって言うらしい。
名前に鶏とかの漢字入ってると思ってたけど違かった。
夜久「それじゃあ端で見ててな!あ、流れ玉には気をつけて!」
「うん。」
いや〜夜久さんって他の人と何か違うんだよなぁ…なんだろ
そんなことを考えながら始まった練習を眺める
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作者名:小豆 | 作成日時:2021年6月11日 15時