第三十八話 ページ39
Aside
片付けも終わり、最後の別れの時間。
山本/田中「友よ！また会おう！！」
山本はあの坊主の人と泣きながら握手してる。
いつの間にあんな仲良くなったんだろ。
孤爪「あれ…なに？」
黒尾「知らん、あんま見んな」
黒尾さんの元に烏野の主将が来て握手する。
なんか黒い。
澤村「次は負けません」
黒尾「次も負けません」
夜久/菅原「怖い！怖いから！」
烏養「次は今日みたいにはいかねえからな」
直井「そうしてくれないと練習になんねえかんな」
夜久「こっちもか！」
菅原「大人気ない！」
あちこちで最後の挨拶してるみたいだ。
僕は…未だに声をかけれてない。にゃぁー…頭ではわかってるのに動けないんだよ…
夜久「A！」
夜久さんに呼ばれ振り向いてみると夜久さんと烏野の三年セッターの人がニコニコしながら手招きしてた。
「…やっぱり無理…」
夜久「だーいじょうぶだって！」
菅原「清水も仲良くなりたいって思ってるだろうし、大丈夫だよ」
「でも…」
僕が渋ってると夜久さんは僕の手を取って三年セッターさんと一緒に引っ張っていく。
段々と清水さん、が近くなってきて、緊張する。
菅原「清水！」
清水「？Aちゃん？」
「…ぁ…ぇっと…」
どうしよう。何を言えば…
女の人が嫌にならない言葉…なんだろう、わからない。
あぁ、無理だ、僕には初めてのことすぎて無理だ…
そう思っていると、夜久さんの手が繋がれてる手がぎゅっと強く握られた。
夜久さんの方を見ると大丈夫、って言ってるみたいに頷いてくれる。
「……れ、ん絡先…ぉしえて、くださぃ…」
顔は見れなかった。
下を向いたままだけど言えた。夜久さんの手を強く握りしめて、返事を待つ。
清水「うん！交換しよ」
清水さんは笑顔で答えてくれた。
お互いのスマホを出して連絡先を交換する。
アドレスのところには清水潔子の名前が新しく追加される。よかった。できた。
清水「私…Aちゃんと仲良くなりたいって思ってる。だから、あんまり緊張しないで接してほしいな」
「！…ニャハハ、ンじゃぁこれからよろしく、お願いします！」
清水「うん！」
さっきまでの緊張が嘘みたいだ。
ンフフ、なんだか嬉しい。楽しい。心臓のところがあったかくなった感じがする。
後で杏奈に報告しよう。女の人と仲良くなれたって。
夜久「よかったなぁ」
菅原「あはは、まるで親目線だね」
夜久「いやぁでもほんとよかった」
山本「ゔぅっAよがっだなぁ！」
菅原「もう1人いたわ」
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作者名：小豆 | 作成日時：2021年6月11日 15時
