青眼のいたずら猫 (ページ29)

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第二十八話ページ29

「ンニャア？？新幹線？」

合宿当日。
集合場所の駅に着くとさっさとみんなどこかへ行くのでそれについて行く。
すると新幹線が…

夜久「宮城まで遠いからな、新幹線で行くんだ」
「ヘェ〜………？」

新幹線に順番に乗り込んだ時、隣の車両に真っ黒な服に銀髪の男が見えた。
あれ、ジンだよなあ。なんでいんの？
今日は仕事とかなかったはず、ハッキングした時はなかったはず、それならプライベートか？
物騒だな。

夜久「A？」
「ン、今行く」

柄にもなく数秒間ガン見していた。
その視線にジンが気付いてるとも知らずに、僕はみんなについていき、席に座った。

ジン「…」

「ンンーーーーーっ。疲れた〜」
山本「ほんとにな、これから練習試合とか考えるときついな」
「たしかにねぇ♪」
黒尾「まずは宿だな、そこに荷物置いてから槻木澤高校に行くぞ」

僕はいつも通り夜久さんと研磨の隣を歩く。
ふと、立ち止まると研磨がいない。
さっきまで隣にいたはずの研磨がいつのまにか消えてる。

「ン？」
夜久「？どうした？」
「いや…研磨がいない」
夜久「あ、ほんとだ」
山本「はぐれた？」
黒尾「あー…俺探してから行くからお前ら先宿向かっといてくれ」
「僕も行く」

黒尾さんが言った時、僕もそう一言言って反対方向に走り出した。
黒尾さんや夜久さんの声が後ろから聞こえるけど今はそれどころじゃなかった。
なんだか嫌な予感がする。ジンもいたんだ。もし研磨が1人でいて、何か巻き込まれたら…
いやいや、そんなことそうそうないだろ。でも、ジンが…なんか、嫌な感じが…

黒尾「おい！」
「？！」

いきなり肩を掴まれ止められる。
そこには走って来てかすごい疲れてる黒尾さん。黒男さんが後ろから来てるの気づかなかった…
研磨のこと気にしすぎた…

黒尾「そんな1人で行くなって、お前まで迷子になるだろ」

そう言って黒尾さんはスマホを取り出し電話し始めた。
話の内容からして相手は研磨。
そっか、スマホ…その手があった。気づかなかった…だめだ僕、今日だめだ、頭が働かない。

黒尾「なんとなく場所の特徴教えてもらったから行くか、なぁーに落ち込んでんの？」

僕の不甲斐なさにたしかに落ち込んでた。
そんな僕に気づいてか、黒尾さんは軽く僕の頭を撫でた。

「ンーニャ？なんでもない…」
「よし、行くぞ」

さっきとは違い普通に歩いた。
なんとなく嫌な感じが、心のモヤが消えてはないが、きっと何もないと信じて、黒尾さんの後ろをついていった。