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第十八話 ページ19

Aside
次の日の朝。
今日もまた早くから朝練があるため半分寝ながら体育館に言って準備をする。
昨日組織にちょっかい出して帰ったら12時、そっからあの店員のことを調べ始めると面白くなっちゃって、あの店員の所属してる公安のことも調べていたら気づいたら3時。

「ふわぁ〜あ」

死ぬほど眠い。
うつらうつらしながらも淡々と手を動かしていた時。

夜久「A!!!!」
「にゃ?」

夜久さんの切羽詰まったように叫ぶ声が聞こえ顔を上げた。
始め何が何だかわからなかったけど、抱きしめられてる感覚と、顔を上げれば夜久さんの顔。その上で夜久さんの手がバレーの支柱を支えてるのを見てやっと頭が働いた。
助けてもらってしまった…

「や、夜久さん…?」
夜久「怪我は?!」

相変わらず抱きしめたまま聞いてくる。
いつもより顔が近く、抱きしめられてる温かい感覚が伝わってくる。なんだかだんだん心臓が速くなって来た。

「ない…」
夜久「はぁーー…r

長いため息をついてから僕を離し、倒れて来た支柱を元に戻してまたクルッと僕の方を向いた。
その顔は、ちょっと、怒ってる。

夜久「A」

いつもより少し低い声で呼ばれ、ビクッと反応してしまう。
下を向いて、夜久さんの方を見れない。

「…はい」
夜久「いつものAなら支柱が倒れて来たら避ける事くらいできるよな。視界にも入ってたはず。なんで気づかなかった?」
「…いや…その…」
夜久「どっか違うところある?」
「ない…」
夜久「じゃあどうして?」
「……昨日、夜遅くまで、起きてて…眠くて…」

言ってる内に目に涙が溜まってきて、声も少し震えていく。
怒鳴られるかな、嫌われるかな、飽きられるかな。

「ッ…ごめっ…ごめんなさいッ」
夜久「?!え?!A?ご、ごめん!そんなつもりじゃなくて、A!顔あげて?」

さっきとは違う優しい声色で声を掛けてくる夜久さん。
なんで謝るんだろう。
怒ってるんじゃないの?
すると私の両頬を優しく挟んでグイッとうえにあげてきた。
目の前にはちょっと困ってる顔の夜久さん。

夜久「ごめん、泣かせるつもりなくて…言い方キツかったよな、ごめん」
「…なんで、怒ってるんじゃないの?」

私の言葉に夜久さんはちょっとムッとした顔になる。

夜久「怒ってたよ、俺がきてなかったら大怪我してたかもしれないからな」
「…」

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作者名:小豆 | 作成日時:2021年6月11日 15時

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