第9話 ページ10
しばらく歩くと、大きな門が見えてきた。
門の奥にお墓がたくさん並んでいるのが見える。
それを見たフーザが不安げにジェイルに尋ねた。
「ここ…勝手に入っていい場所なのか？」
「えー？ 大丈夫だよ。誰もいないだろ」
「いいや、こういう場所には監視魔法がかかっててもおかしくない。魔法がかかっていないとしても、門に鍵がかけてある可能性が…」
ムッとした顔で話を聞いていたジェイルがいきなり「だーっ！！」と叫んだ。
「鍵がかかってたらよじ登ればいいだろ！ そもそも魔法使えるやつなんて勇者くらいしかいねーよ！お前らが特別なだけだ！ 行くぞ！！」
「まったく…勝手だなぁ」
フーザは呆れたようにため息をついた。
ジェイルはどうしても肝試しがしたいらしい。
それにしても、かなり大きな門だ。
私の身長の倍以上はある。
力のない私とアルワンダは困惑してしまった。
ジェイルは慣れているのかすいすいと登っていく。フーザもそれに続いた。
「君ら、登れる？」
フーザが門の向こうから話しかけてきた。
私がどう登ろうか考えていると、突然大勢のカラスが鳴いた。
「ぎゃあああーっ！！」
それに驚いたアルワンダが横道へと走る。
「あっ、ちょっと！ アルワンダ！」
呼び止めたがアルワンダは遠くに逃げていってしまった。
私はジェイルとフーザにアルワンダを探しに行くことを伝え、アルワンダを追いかけた。
「アルワンダー？ どこー？」
思いきり叫ぶが、返事は帰ってこない。一体どこまで逃げてしまったのだろう。
アルワンダは怖がりだ。今頃どこかで泣いているかもしれない。ますます心配になった。
ふと、背後に何者かの気配を感じた。
アルワンダ？ いや、何か違うような気もする。
…もしかして、今度こそおばけ？
違う。きっと、絶対、違う！
私は正体を確かめるために、意を決して振り返った。
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (
レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猩々 | 作成日時：2020年11月6日 14時
