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第18話 ページ19

中に入ると、さっきの寒さが嘘のように消え去った。
むしろ、ほんのりと暖かいような気もする。


室内は思ったよりも広くなく、壁には一面の本と、上ってくださいと言わんばかりの大きな階段があった。


「まぁ…たぶんこの階段の先だろうね」

「こんなに上るのか? まじかよ…」


フーザの言葉を聞いたジェイルは「うげぇ」と呟く。
私は、魔法を使うことができるフーザに声をかけた。


「フーザ…わかる? ここ、ものすごいたくさんの魔力が散らばってる」

「ああ、わかるよ。魔法陣を見つけたら、ここを探索しようか」


それを聞いたジェイルはもう一度「うげぇ」と呟いた。









「つ、疲れた…もう二度と上らね…」


ジェイルが肩で息をしながら言う。

私もフーザもくたくただった。


階段を上ると、目の前に大きな扉があった。
扉の先からは魔力が感じられる。


フーザが扉に手をかける。
ゴクリと唾を飲む音が聞こえた。


扉を開けた先は、私の家の地下に似ていた。

部屋の床に大きな魔法陣、周りには本棚、魔力の結晶が辺りを浮いている。


「僕、行ってくるね」


私とジェイルにそう伝えると、フーザは扉の向こうへ消えてしまった。


「行っちまったな」

「じゃあ、私達は1階の本を調べようか」

「えぇ〜? またこの階段降りるのか?」

「つべこべ言わないの」


ジェイルは肩を落とした。









「やぁ、調べてくれてたんだね。ありがとう」


フーザが2階からやってきた。


「フーザ、お疲れ様。どうだった?」

「ああ、魔法を1つ習得できたよ。そっちは?」

「私達はなーんも収穫なし。本の内容も、今のところは大したものは見つかってないよ」

「そうか…だけど、まだ全部は見てないんだろ? もう少し調べよう」


私はコクリと頷いた。


「ん…? なんかこの本おかしくねぇか」


すると、本棚を調べていたジェイルが話しかけてきた。
私とジェイルが近づく。


「どうしたの?」

「この本がさ、なんか他の本と違う気がするんだよな」

「私にも見せて」


ジェイルが指さす本を見ると、その本からは魔力が感じられた。


その本に手をかざし魔力を注ぐと、突然地面が揺れ始めた。

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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猩々 | 作成日時:2020年11月6日 14時

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