第10話 ページ11
「なぁんだ…アルワンダじゃない。びっくりした」
私はほっと胸を撫で下ろす。
アルワンダが申し訳なさそうに「ごめん」と言った。
「ボクを追いかけてきてくれたの？ ありがとう」
「もう、勝手に走って行っちゃうんだから！ 早く戻ろ！」
「ボクは早く帰りたいんだけどなぁ…」
「じゃあ尚更早く戻らなきゃ！ ちゃっちゃと終わらせちゃお」
ぐずぐずしているアルワンダの手を引っ張った。
「おー戻ってきた！」
「大丈夫か？ 怪我は？」
ジェイルとフーザがこちらに駆け寄ってくる。
私とアルワンダは自分たちの身体に怪我がない事を伝えた。
アルワンダがおずおずと口を開く。
「ねぇ、ボクもう帰りたいんだけど…」
「ダメに決まってんだろ！ 行くぞ！」
ジェイルがアルワンダの腕を引っ張る。
私とフーザは顔を見合わせ、苦笑いをした。
墓地には明かりひとつなく、フーザの持つランプだけが頼りだった。
辺りが暗いせいで、風の音にすらビクビクしてしまう。
「…なんにも居ないみてぇだな」
ジェイルが呟く。
夜だから当たり前だ。何かいる方が怖い。
「ほ、ほら、何もいないし、もう帰ろ？」
アルワンダは、例のごとく私にしがみつきながら言う。
フーザもそれに同意した。
「想像していたより暗くて危ないな。僕も帰るべきだと思うよ」
「ケッ、お前らビビりすぎだぜ！ 大丈夫だって」
とうとうこの墓地の1番奥、大きな柳の下までやつてきた。
フーザとジェイルが柳に近づきながら言う。
「小説の題材にしてもいいくらい雰囲気のある場所だね」
「いかにもな所だな！ テンション上がるぜ」
ふと、私は柳の下に何か埋まっていることに気がついた。
しゃがんで顔を近づける。
「何これ？ …きゃああああっ！！」
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猩々(プロフ) - パトさん» そのようにおっしゃっていただけて嬉しいです。この作品を読んでくださりありがとうございました。 (2021年3月19日 19時) (
レス) id: f5012a712b (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました。終盤の段々狂っていく感じが凄くゾクゾクしました。読み終わってから設定キーワードを見て「こんなところにもメッセージが……」と感動しました。長文、駄文失礼しました。 (2021年3月17日 22時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猩々 | 作成日時：2020年11月6日 14時
