転生先は約束のネバーランドの世界でした。２

side：レイ ページ39

あの話の後、嫌な空気が広がっていた。それを破ったのは、元凶のAだった。

『さて、そろそろ終わりな。敵を倒したから敵に襲われることはないと言ったが、半分本当で半分嘘だ。このままだとな』

そう言って外に出るとすぐに矢で何かを撃ち落とした。

それはフクロウの形をした、カメラだった。

『これで本当に襲われる心配はない。もちろん。ここももう使えないけどな。』

その言葉にみんなが不安になるが、すぐにそれを断ち切ったのもAだった。

『ルーカス、最後の電話の内容をみんなに。』

ルーカスが最後の電話の内容をみんなに話す。

その内容は、『“ライオンのあご”に来い』という内容だった。

すぐに出発を開始した。

交代制で見張りをするのは相変わらず。けど、

「A、いい加減休め。何日寝てないんだ」

Aは出発してから2日間、まともに寝ていなかった。

ずっと、木に寄りかかって座っているだけで。

「……レイも大して寝ていないだろ」

「さすがに少しは寝てる。お前は2日も寝てないだろ」

「2日なんて大したことない。そんなことより早く寝たら？せっかく交代したんだろ」

「あと8日……いや、もっと掛かるかもしれないんだぞ。いいから寝ろ」

「……レイは……みんなか。変わらないな。」

？

「何を変える必要があるんだ？」

「人殺しだぞ」

「俺達を守るためだろ。お前が、自分の手を汚してでも守ってくれたおかげで……みんな生きてる」

Aは俺に、『手を汚したくない』と言った。

俺だって……汚さないでほしかった。なのに……

でも、言わない。こんなこと言っちゃいけない。

それは、Aを傷つけるだけだ。

「約束を守ってくれて、ありがとう」

「……うん」

「よし、寝ろ」

「お前がな」

「じゃあ肩貸せ。」

そう言ってAの隣に座って、左肩に頭を乗せる。

「レイ？」

「うるせぇ寝るんだよ。だからお前も寝ろ」

「……分かった」

俺はその後、目を瞑った。そのまま意識は暗闇に落ちて行った。









その時、俺の右手をAが握っていたことも知らずに。

番外編side：男主→←side：男主

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す