吉野家とその真実 前編 ページ30
帰りの車に揺られる中、俺は移り変わっていく
景色を窓から眺め、物思いに更けていた。
…今日は、濃い１日だったな。
(人１)を一方的に拒み、勝手に悲しくなって、吉野財閥の令嬢と見合いをして、あげくのはてには仲直りをして。
…結局俺は、いつも通りの毎日が好きだったんだと心の底から感じる。
ふと隣を見ると、先程までカレーが食べたいと駄々をこねていた(人１)はすっかり疲れはてて眠ってしまっていた。
今日はパーティーを開くから我慢しろと言ったらすぐにおとなしくなったが…こういう時でも食い意地は張れるんだな。
そんな(人１)は俺様の肩に首を乗せて、すうすうと寝息をたたてていた。
…まあ、今日は色々とあったので許してやってやる。
(人１)の髪の毛に手を伸ばし、指で軽くといてやると吐息をもらし、顔をしかめて嫌そうな顔をした。
なんだか、いつもの日常が戻ってきたように感じた。
斉木「…おい、才虎。」
芽斗吏「…なんだ？」
斉木「いいのか？僕まで誘ってもらっても。」
眼鏡貧乏が申し訳なさそうな顔でこちらを見つめてくる。
俺は微笑すると、窓に映る景色を眺めながらこう告げた。
芽斗吏「…お前にも迷惑かけたからな。パーティーに参加する権利はある。それに、お前の好きなコーヒーゼリーも用意したぞ。」
斉木「そうか…。」
もう少し喜ぶかと思っていたが、うつむいて黙り込んでしまった。
本心で言ったつもり、だったんだがな…。
眼鏡貧乏はこれだから嫌いなんだ。
そしてそのまま、会話が途切れてしまった。
芽斗吏「おい、起きろ。」
暗闇の中から才虎君の声が聞こえてくる。
私は意識がもうろうとしている中、辺りを見渡して寝ぼけ眼をこすった。
『んん…もう朝？』
芽斗吏「違う。…ほら、立て。」
そう言われ、才虎君に腕を引っ張られると車の外に出る。
顔に当たる風が冷たく、思わず才虎君に抱きついた。
芽斗吏「ちょっ、離れろ！」
『眠い…。』
再び寝そうになった瞬間、才虎君が囁いてきた。
芽斗吏「…ごちそう、食べたくないのか？」
そう言われると、才虎君から離れてビシッと姿勢を正す。
そして、眠気もどこかへ飛んでいった。
『はい、食べたいです！』
やれやれという顔をして、才虎君は豪華な屋敷へと向かっていった。
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まるー - いつもキュンキュンしながら読ませていただいています！この作品、本当に大好きです！更新これからも頑張ってください！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: b1555a1980 (このIDを非表示/違反報告)
リプトン(プロフ) - 亜乱さん» 更新遅れてすいません…！ちょっと最近ネタが無くなりつつあるので、その場の思い付きで書いているので更新が遅くなってしまいました。速く更新できるように気を付けていきますね！ (2018年9月25日 6時) (レス) id: 834b297079 (このIDを非表示/違反報告)
亜乱 - めさくそ続きが気になります！！それにしても才虎がか、可愛い…(( こうしんがんばです！！！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 7a4fd9fb97 (このIDを非表示/違反報告)
レミ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！この小説本当に大好きでいつも楽しく読ませていただいています！！更新いつも楽しみにしています、これからも頑張ってください！！ (2018年9月10日 23時) (レス) id: bcf4cc8d9e (このIDを非表示/違反報告)
黒枝 - とても面白いです！ 頑張ってくださいo(・`д・´｡)！ (2018年9月9日 17時) (レス) id: acc57dbcbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リプトン | 作成日時：2018年7月20日 18時
