忘れたくない 前編 ページ24
お見合いが始まってから早三十分。
どうやら、お互い話すことに慣れたようで、会話が弾んでいた頃だった。
芽斗吏「吉野は本当にその白雪先輩が好きなんだな。」
白雪先輩の小説を手に取り、まじまじと見つめながらそう呟いた。
すると吉野は、余程嬉しかったのか満面の笑みを浮かべて語ってきた。
吉野「はいっ！特に小説第八巻のここのシーンの台詞が一番すきなんです！『私を本当に愛しているなら、このリンゴをかじって！』本当にこの台詞は奥が深いですわ…！」
毒リンゴかもしれないリンゴをかじって、愛を表現する…か。
自分を危険にさらしてまで愛を表現する…そんな事、俺には出来るだろうか。
俺には出来ない…いや、出来なかったの間違いか。
俺は先程まで愛していたアイツをフッたばかりじゃないか。
アイツの事を信じきれず、ただ傷つけられる事が怖くて逃げ出してきたじゃないか。
そうなると、この白雪先輩に出てくる男は愛する女を信じてリンゴをかじったのか…。
俺とは全く反対だな。
なんだか、胸の奥がズキンと痛む。
吉野「どうされました？芽斗吏様？」
芽斗吏「…いや、何でもない。」
俺は差し出され、すっかりぬるくなった紅茶を優雅に飲む。
吉野「もしかして…思い人の事を考えていましたの？」
芽斗吏「っ！？ゴホッ、ゴホッ！」
思わず紅茶を吹き出しそうになる。
驚いたせいか、紅茶が気管に入り込んでむせてしまった。
吉野「…やはり、そうなのですね。」
はあ、と深いため息をはく。
伏せられた睫毛には哀しさを漂わせていた。
芽斗吏「…いや、アイツは…もう、駄目だ。それに俺には今、お前がいるし…。」
吉野「…芽斗吏様、無理…してませんか？」
…無理をしている、だと？
そんなはずは無い。
だって、俺は………アイツを……。
吉野「あ…すみません。ちょっと、気まずくさせてしまいました。」
芽斗吏「…いや、気にしなくていい。」
………。
吉野「それより、先程の話の続きをしませんか？ええと、確か…」
吉野が気を遣って話をそらそうとした、その時。けたたましい音が辺りに響き渡った。
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まるー - いつもキュンキュンしながら読ませていただいています！この作品、本当に大好きです！更新これからも頑張ってください！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: b1555a1980 (このIDを非表示/違反報告)
リプトン(プロフ) - 亜乱さん» 更新遅れてすいません…！ちょっと最近ネタが無くなりつつあるので、その場の思い付きで書いているので更新が遅くなってしまいました。速く更新できるように気を付けていきますね！ (2018年9月25日 6時) (レス) id: 834b297079 (このIDを非表示/違反報告)
亜乱 - めさくそ続きが気になります！！それにしても才虎がか、可愛い…(( こうしんがんばです！！！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 7a4fd9fb97 (このIDを非表示/違反報告)
レミ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！この小説本当に大好きでいつも楽しく読ませていただいています！！更新いつも楽しみにしています、これからも頑張ってください！！ (2018年9月10日 23時) (レス) id: bcf4cc8d9e (このIDを非表示/違反報告)
黒枝 - とても面白いです！ 頑張ってくださいo(・`д・´｡)！ (2018年9月9日 17時) (レス) id: acc57dbcbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リプトン | 作成日時：2018年7月20日 18時
