すべて忘れたい 前編 ※病み注意 ページ19
これ程までに忘れてしまいたいと願ったことは有っただろうか。
こんなにも愛おしいと感じていたアイツは、
既に恐怖の対象となってしまった。
ああ、やはりアイツを信じてはいけなかったんだ。
この世は金が全て。
そう親父に教えられてきた筈、なのに。
いつから才虎芽斗吏という人物は変わってしまったのだろう。
アイツに恋をしてから？
アイツと出会ってから？
PK学園に転校してから？
…いや、もはや全てが原因なのかもしれない。
やり直せることならPK学園に転校する前に戻りたい。
親父と同じ高校へ行き、好きでもない人と結婚して、才虎家の後を継ぐ。
これが、才虎芽斗吏が求めていた世界だろう？
お前は昔から親父のようになりたいと憧れていた筈だ。
こんな事で何故落ち込む必要があるんだ？
昔を思い出せ。
兄と比べられ、こそこそと陰口を言われ、勉強も運動も兄に勝りはしなかったあの頃を。
芽斗吏「…俺は。」
小さい頃から兄が嫌いだった。
運動も勉強も出来て、そのくせして超能力者だと？
笑わせるな。
お前のせいで俺がどんなに悔しい思いをしたのかまるで分かっていない。
お前の優しさは俺にとって地獄の様に感じたんだ。
だからさ…お前がマジシャンになると言った時、凄く嬉しかったんだ。
これで、後を継げるのは俺しか居ないって。
夢のようだったぜ。
芽斗吏「…俺は。」
だけど、そうしたって俺の前からどんどんと大切なものが消えていった。
友人、信頼、心…そして、(人１)。
芽斗吏「俺は…！！」
お前の事が本当に大好きで、愛おしくて、他の奴等なんかに取られたく無いと、初めて思えたんだ。
なのに、アイツは…
芽斗吏「アイツなんか…！」
消えてしまえ。
そう思えばスッキリすると思った。
だが、現実はやはり厳しいものだ。
何故、こんなにも…。
芽斗吏「…お前の事が忘れられないんだろうな。」
水滴が俺の頬を伝った。
しばらく経つと、涙はすっかり乾ききっていた。
俺は重い足取りでベッドから起き上がり、コップに入っていた水を飲み干す。
…少し気が楽になった気がする。
そういえばと、思い出したあの話。
【お見合いの話が来ていますが、どうしますか？】
これを、利用しようじゃないか。
…俺様は才虎財閥の御曹司、才虎芽斗吏。
アイツを忘れるためならば…どんな手段も選ばないと、な。
…俺は小さく嗤った。
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まるー - いつもキュンキュンしながら読ませていただいています！この作品、本当に大好きです！更新これからも頑張ってください！ (2018年9月30日 21時) (
レス) id: b1555a1980 (このIDを非表示/違反報告)
リプトン(プロフ) - 亜乱さん» 更新遅れてすいません…！ちょっと最近ネタが無くなりつつあるので、その場の思い付きで書いているので更新が遅くなってしまいました。速く更新できるように気を付けていきますね！ (2018年9月25日 6時) (レス) id: 834b297079 (このIDを非表示/違反報告)
亜乱 - めさくそ続きが気になります！！それにしても才虎がか、可愛い…(( こうしんがんばです！！！ (2018年9月24日 21時) (レス) id: 7a4fd9fb97 (このIDを非表示/違反報告)
レミ(プロフ) - 続編おめでとうございます！！この小説本当に大好きでいつも楽しく読ませていただいています！！更新いつも楽しみにしています、これからも頑張ってください！！ (2018年9月10日 23時) (レス) id: bcf4cc8d9e (このIDを非表示/違反報告)
黒枝 - とても面白いです！ 頑張ってくださいo(・`д・´｡)！ (2018年9月9日 17時) (レス) id: acc57dbcbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リプトン | 作成日時：2018年7月20日 18時
