４日目〈感謝〉 ページ45
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健くんの指示で、阿部がふっかと出て行った。
心配と安堵が入り混じった気持ちで玄関の方を眺めていると、健くんの顔が少しだけ近付く。
健「足の怪我、岩本に見せるけどいいよな？どうせお前、止める人がいないとまた無理するだろ、」
dt「......はい」
照に抱えられて、ソファに移動する。
これからまた迷惑を掛けるんだ、と思ったら、「ごめん」と口に出さずにはいられなかった。
その後、健くんの手によって包帯が丁寧に巻き直されて、今度は照の背に乗る。
iw「すみません、お世話になりました」
dt「ありがとうございました...あの、坂本くんにもよろしくお伝えください...」
健「はいはい。しっかり伝えときますよ」
坂本くんの自宅を後にして、車に向かうまでの道中。
俺の身体があまり揺れないようにとゆっくり歩く照は俯いていて。
顔は見えないけど、相当気を落としていると分かる。
iw「......舘さん、」
dt「ん？」
iw「しんどい？」
俯いたまま、ポツリと呟くように聞いてくる。
まるで怒られて凹む子供みたいな声だった。
思えば、新体制になって照がこんなに凹むことは久しぶりで、何だか可笑しくて頬が緩んだ。
そのまま素直に声を出せば、
自分で思っていたよりもずっと穏やかな声が出て、自分が案外リラックスできているんだと驚いた。
dt「...大丈夫だよ、」
iw「、うそ」
dt「嘘じゃないって」
そう、嘘じゃないんだ。
痛さとか怠さとか疲労感とかが無くなったわけではない。
でも何というか、...慣れた。
今までがあまりに辛すぎて、
身体が苦痛を拒絶している、というのもあるかもしれない。
iw「舘さんは、怖くないの？俺のこと、」
dt「...阿部ほどは、ね」
俺がメンバーから逃げたのは、
...まあ、もちろん他人が怖かったのもあるけど、
一番は、受け入れてもらえないのを見たくなかったから。
拒絶される自分を想像してしまって、現実になるのが怖かったから。
だから、その心配が薄れた今は、意外と落ち着いていた。
dt「......ありがとう、照」
ーー今、そばに居てくれて。
口には出さなかった。その気持ちが伝わったかどうかは分からない。
でも、
「うん」と返してくれた照は前を向いて歩いていた。
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苺(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございます！次回更新たのしみにしております、お身体にはお気を付けてくださいね(*´-`) (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 2b505c53ee (このIDを非表示/違反報告)
azuvixx(プロフ) - さっくんの優しさが現れる作品だなと思います。凄く続きが楽しみです！ (2019年11月24日 11時) (レス) id: 06f1cacbb4 (このIDを非表示/違反報告)
月の兎(プロフ) - 初めまして。まさかブイの面々が出てくるとは思いませんでした。ぶいすの担の私歓喜です（笑）続きも楽しみにしております！ (2019年11月21日 23時) (レス) id: 9b6fe057d4 (このIDを非表示/違反報告)
みなみ(プロフ) - 続きが気になります。 (2019年11月18日 9時) (レス) id: 34a5132cfc (このIDを非表示/違反報告)
美福(プロフ) - 更新の通知が来る度に凄く嬉しくてウキウキして見ています！これからも更新楽しみにしてます！頑張ってくださいね！ (2019年11月17日 13時) (レス) id: 9e6bdd0fef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2019年11月11日 21時
