十人十色の雪桜（２）

自分のことは ページ36

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Aってさ、人の変化にはよく気付くのに、自分のことになると途端に鈍くなるんだよね。


例えばこの前。





『、おはよう...』


iw「おぉ、どうした元気ないじゃん」

『なんかねー、酔ったっぽい...』


dt「今日お迎え？」


『いや...』





覚束ない足取りで楽屋に入ってきたと思ったら、椅子に座るなり机に突っ伏した。


照や舘さんの言葉にもフワフワとした返事。


最初は心配してそっと様子を見てたんだけど。





ru「おはようございまーす」

『あ、ラウちゃん！学校お疲れ〜』


sk「おはようピーマン！」

『佐久間うるさっ(笑)』





数分したらね、案外ケロッとしてて。


本当に酔っただけなのかな...


グッタリした姿を見てた照や舘さんは、俺と一緒で不思議そうにゆきを見つめてる(笑)





『......ん？...あぁ、もう回復したから平気よ』


dt「なら、いいけど...」

iw「身体、変なら言えよ？」


『もぉ、過保護だな。大丈夫だって！』





と言って康二たちとワイワイ騒いでた。


でも、

撮影する、となってスタジオに移動を始めるころには、またちょっと元気が無くなってた。





fk「ゆき、元気ないけど。やっぱ体調悪いんじゃないの？」

『えー？全然そんなつもりないんだけどな...』


fk「じゃあ朝は本当に酔っただけなの？」


『そうそう。自分の歩く振動に酔ったみたいでさー。歩いてるうちに気持ち悪くなっちゃって』





......ん？
それはどうなんだ？





fk「目眩とか起こしてるんじゃない？歩いてるだけで酔うって普通じゃないよね、」


『特に気にならないけどなぁ...』

fk「熱は？...って、自覚ないなら測らないか」





ちょっとごめんね。と断りを入れておでこに触れると、想像よりもずっと高い体温を感じた。


思わずビクッと手を引くけど、

張本人は不思議そうに俺を見上げるだけ...(笑)





fk「けっこう熱いけど、」


『、まじか』


fk「心配だし、測っとかない？」

『うーん、病は気からって言うし。終わってから測る』





本当に自覚ないんだ、なんて揶揄いながらスタジオ入りして、様子を伺いながら撮影をこなす。



そして撮影終わり。





『、鳴った』


fk「見せて。...38.6℃。高熱ですね」


nb「馬鹿なの？」

iw「これだけ元気なら心配ないな」

sk「ま、一応送るよ」


『ねえ、病人に対する態度としてどうなん？』






鈍感も大概にして欲しいよ、本当...



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元ネタは実体験()

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