朝焼けを探す花 (ページ25)

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２５、黄ページ25

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iw「なんで、」

ぽつり、と口から溢れた呟きをAの耳は拾わない。

黙々とストレッチをする姿に、苛立ちのような困惑のような…なんとなく…だけど、どうしようもない気持ちが湧いてきた。

iw「……俺ら、そんなに頼りない？」

神「照。」

iw「なんで神ちゃんなんだよ、なんで俺らじゃないの」

視界の端で神ちゃんが、俺を鎮めようと一歩踏み出すのは見えてるし、俺を呼ぶ声も聞こえてる。

だけど、止められなかった。

Aが何かを感じ取ったように顔を上げる。

目が合って、きっと俺の表情なんか見なくても言いたいことは察してるんだろうけど。

怪訝そうに眉を顰めて、ジッと見つめてきた。

iw「甘えろよ、なんでそうやって1人で抱える訳？」

『それ照が言う？みんなだってそうじゃん』

iw「……それは、」

的確な返しに狼狽えている間に、Aは更に言葉を続ける。

『私が女だから？男だったら、そんなにしつこくしなかった？』

iw「しつこいって…」

『しつこいじゃん。いつまでも構ってきてさ。私は、助けなんかいらないって、何回も言ってるのに』

棘のある言葉とは裏腹に、その顔は徐々に下を向いていく。

表情は見えないけど、俺には心からの言葉には感じなかった。

iw「本当に？本当にいらないの？」

『っ、だから！いらないってば』

iw「……ごめん、こういうとこだよな。……でも。俺は別に、お前が女だからしつこくするんじゃないよ？」

確かに、男として女性を大事にしたいという気持ちだってある。

だけどそれ以上に……

iw「お前が、Aだからだよ」

『っ…なにそれ、』

iw「仲間として、第二の家族として、Aが大事だから。大事なAが、今にも倒れそうなほど頑張ってるのが見てて分かるから。少しでも力になってやりたいんだよ」

これはきっと、みんなも同じ。

Aの言葉通り、自分のことを話すのは苦手なやつばっかだけど。そんなやつが何言ってんだって感じだけど。

『……っ、ほんっと、…しつこい、』

iw「うん、そうだよな。ごめんな？…でも、これが俺の本心だから。1人で頑張るのもいい。だけど1人がキツくなったんなら、遠慮なんかしないで頼ってほしいよ」

Aだけじゃない。

ふっかも佐久間も翔太も舘さんも阿部も康二も目黒もラウールも。
みんな大事だから。

みんな、お互いの力になりたいんだ。

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