朝焼けを探す花 (ページ15)

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アルバムが完成間近ということもあり、いつもお世話になっているアイドル誌以外にも取材をしていただいている。

そんな今日は朝から夕方まで、グループも個人も含め、様々な媒体の合同取材という形で大忙しだ。

撮っては着替えて、集まっては撮って、合間にはインタビューを受けたり新曲の振りを確認したり…

午前中はほとんど休む間もなくスケジュールをこなした。

午前の行程を終えて、お昼ご飯を食べるためにも一度解散する。
楽屋に戻れば、ケータリングが用意されていた。

ru「えー、どっちにしよう！ゆきちゃん決めた？」

『んーどうしようね(笑) ……私は、余った方でいいかな』

ru「そうなの？んー…やっぱり唐揚げかな！」

唐揚げ弁当を手にルンルンと机に向かっていったラウちゃんを見送りつつ、私もその場を離れる。

荷物から財布を取り出して、楽屋を出た。

――ｶﾞｺﾝｯ、

『……ふぅ、…さすがに今日はお腹空いたなぁ、』

なんて独り言を漏らしながら、買ったばかりのお茶をちびちびと飲んで時間を潰す。

10分くらい経ったかな。

楽屋の方から歩いてくる人影が見えた。

sk「あれ、何してんの。昼飯は？」

『…ちょっと休憩。ご飯、もうみんな選んだの？』

sk「選んだと思うよ。……時間限られてるし、早く食べちゃおうよ。ちょっとは食べないと午後持たないだろ？」

『ん、行く行く』

自販機で水を買った佐久間の後ろに続くように立ち上がる。

チラリと振り返って私がついて来てると分かった佐久間は、歩く速度を落として隣に並んでくる。

……珍しい。

sk「あの…さ。渡したいもんあるんだけど、飯の前にいい？」

『いいけど…』

sk「…うん、」

本当に珍しいな。

俯きがちに、恐る恐ると言った様子で話しかけて来た佐久間は、ちょっとだけ緊張してるみたいだった。

sk「ちょっと待ってて、」

そう言った佐久間は、
自分の荷物の中から何かを取り出すとすぐに戻って来る。

手に収まるサイズの小さな紙袋。

佐久間はそれを、心底大事そうに差し出した。

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