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あれから数日。
最初こそ、過呼吸を起こしたりパニックになったりしてた2人だったけど、少しずつ打ち解けてくれているのを感じる。
『しょうた、朝ご飯食べよっか』
翔「……いらない」
『んー、じゃあゼリーかプリンは？』
翔「……ぜりー」
『じゃあ何味にするか選びにいこっか』
グッと伸ばされた腕に、その小さくて華奢な体を抱き上げる。……少しは体重増えたかな？
朝昼はあんまり食べてくれないけど、夜は頑張ってくれてて。
こどもたちもみんな応援してくれるし、少しは食べることが楽しく思ってくれてればいいな、なんて。
照「Aちゃん、りょーたくん連れてきたよ」
『おー、ありがとう』
力持ちのひかるは、いつもりょうたを負ぶって移動してくれる。
りょうたくんの前にお粥を出せば、キョロキョロと視線を彷徨わせてソファにいるしょうたを見つけ、ゼリーをぱくぱく食べてるのを見て、ようやく自分も食べ始めた。
涼「……んふふ、」
『美味しい？』
涼「……ん。」
『そっか。全部食べられなくても怒らないからね』
まだあんまりお話してくれないりょうただけど、少しずつ笑顔も増えて、目も合うようになった。嬉しい変化。
みんなが食べ終えて身支度が整ったら、お店へ移動。
しょうたやりょうたも、家に残すのは心配だからお店に来ていて、大抵は厨房の隅でちょこんとしてる。
『いらっしゃいませー。……あ、岡田さん。お久しぶりです』
岡「すみません、ご無沙汰しちゃって」
『そんなそんなっ、…今日はー…お仕事ですか？』
岡「ええ。少し良いですか？」
スーツ姿の岡田さんは、角の席を指差してそう言った。
今は忙しくないし、とついていけば、話もそこそこに一枚の紙を取り出した。それはどうやら、何かの誓約書っぽい…けど？
岡「昨日、半獣虐待の罪でとある夫婦が逮捕・起訴されました。……これ、その夫婦のお子さんの名前です。」
『りょうた…しょうた…』
岡「はい。以前、櫻井から話を聞いてまして。これは、夫婦がこの2人の親権を破棄することを宣言した書類です」
えっ、と驚いているうちに、岡田さんはもう一枚の紙を取り出した。
岡「Aさんが良ければ、2人の新しい家族になっていただけないかな…と。手続きはこっちでやりますし、」
そんなの、こちらからお願いしたいくらい。もちろん二つ返事で快諾して、書類にサインをした。
りょうたとしょうたと、家族になった。
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まりも(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。リクエストなんですが、翔太くんと涼太くんがお店に来る前の家でのお話が見たいです！これからも更新頑張ってください！ (2020年10月10日 15時) (
レス) id: 2607901ad6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！更新、楽しみにしています！！ (2020年9月29日 23時) (レス) id: 2467065cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年9月18日 15時
