甘やかす日。（マシュマロ） ページ22
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『ありがとうございましたー！』
最後のお客さんをお見送りしてお店の中へと戻ると、せかせかと掃除を始めてくれているこどもたち。
そんな中で、そわそわと落ち着かない子がいる。
私はスマホを片手にその子に近付いた。
『こーじ。』
康「！！」
『おいで。』
康「っ…ｸﾞｽｯ…」
控え目な様子で胸におさまったこうじを抱き上げて、お店の隅の比較的静かなエリアへと向かった。
『室さんから連絡来たよ』
康「るたくん…！」
『うん。……室さんね、お仕事の途中に倒れちゃったんだって。お熱があって、今は病院にいるんだって』
康「あんなっ…るたくんな…さいきん…おしごといっぱいやってん…おれなっ…いつもはいっしょにねるねん…っでも」
ぐずぐずと鼻をすすりながら一生懸命話してくれた内容を整理すると、最近は多忙で眠れていないらしい。
うーん、私も過労で倒れたことはあるから何も言えない…
『室さんは今日、病院でゆっくり寝るみたいだから、こうじは私たちと一緒にいよっか』
康「……んっ、」
『うん、ごめんね。不安だったね』
とうとう、うわぁーん！と声を上げて泣き出したこうじに、他のみんなが何事かをこちらに顔を向ける。
りょうたやしょうた厨房から顔を出した。
代表して、たつやが駆け寄ってくる。
辰「こーじ…」
『大丈夫、びっくりさせちゃってごめんね。今日はこうじも一緒に帰るから、いっぱい甘やかしてあげて？』
辰「うーん、よくわかんないけどわかった！」
『ははっ、頼もしいね。みんなにも伝えてもらえる？』
まかせろ！と駆け戻って行ったたつやに説明は丸投げして、いまだ大号泣のこうじを抱え直した。
『よしよし、今はいっぱい泣こうね。』
あやしながらこっそり泣き顔を写真に収め、今頃意気消沈しているであろう室さんに送りつける。
A大事な子、泣かせちゃダメですよ。
しばらくして、
「ほんっますんません！その通り！！こうじのことよろしくお願いします！！」という勢いのありすぎる謝罪と、
土下座スタンプが送られてきていた(笑)
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まりも(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。リクエストなんですが、翔太くんと涼太くんがお店に来る前の家でのお話が見たいです！これからも更新頑張ってください！ (2020年10月10日 15時) (
レス) id: 2607901ad6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています！更新、楽しみにしています！！ (2020年9月29日 23時) (レス) id: 2467065cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年9月18日 15時
