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ガラスを片付けて水も拭き終えた頃。挨拶が終わったらしいたつやはひかるとだいすけとお話をしているみたい。
辰「おみずはおもいしこぼれちゃうから、いっこずつはこぼうね」
大「…でも、ひかるはいっぱいもってた、」
照「おれはちからもちなの。」
大「…むぅ。…おれももてるもん」
辰「おれもさいしょはいっこだった。なれたら、こぼさずに、にこもてるようになるよ」
じゃあいっぱいはこんでがんばる!とだいすけが納得してくれたのを見届けて、お客様に改めて謝罪をして厨房に戻る。
さっきと少しだけ雰囲気が違っているように感じた。
華奢な子が、口を開いて何かを言おうとしていることに気付き、刺激しないように離れた位置で目線を合わせた。
「……なんで、」
『ん?』
「……こっぷ、…おこらないの」
『うん、わざとじゃないのは分かってるし、悪いことじゃないからね。私もたまに割っちゃうし(笑)』
隣でりょうへいが「おっちょこちょいだからね〜」って言ってきて、あなたも大概よ?と思いながら、レジの方に追いやる。
次はどうアプローチしようかと言葉を探していると、
「……けが、…なおしてくれる、?」
「だめだよ…しょーた、わがまま、…だめ、」
「……でも、」
「おれは、だいじょーぶ…」
名前も事情も分からないけれど、きっとこの子たちが居た家庭はとても良いとは言えない場所で。物を壊したりわがままを言うことを禁止されてきたんだろうな…ってことはすぐに分かった。
『しょうたくん、かな?何か怪我してるなら、教えて欲しいな』
「……おれ、へーき。…りょーた、が」
『りょうたくん? もしかして、足痛いんじゃない?』
「……いたくない、…だいじょーぶ、」
しょうたくんの背中にくっついて、じりじりと後退ろうとするりょうたくんはやっぱり右脚を引きずっていて。無理に動かしているなら止めさせなきゃいけないと思って、近付いた。
「!! やだ、! やだやだ!こないで…っ」
「りょーた……」
予想通り、…いや予想以上の拒絶具合に怯みそうになる心を奮い立たせてちいさな身体を抱き上げる。
「っ、いや…っ、しょーた、!」
『大丈夫大丈夫。怖いことしないから。動くと痛いから、ね?』
しばらくギュッと抱きしめていると、少しは気持ちが落ち着いたのか、しゃっくりをあげながらも大人しくなってくれた。
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まりも(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。リクエストなんですが、翔太くんと涼太くんがお店に来る前の家でのお話が見たいです!これからも更新頑張ってください! (2020年10月10日 15時) (レス) id: 2607901ad6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています!更新、楽しみにしています!! (2020年9月29日 23時) (レス) id: 2467065cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おれんじ | 作成日時:2020年9月18日 15時