疲労困憊。(マシュマロ) ページ16
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うー…しんどい……
厨房の作業台に手をついて俯き、ぐるぐると回る視界をギュッと目を瞑ることで誤魔化そうと試みる。
三宅さんが雑誌でお店を紹介してくださって以来、ありがたいことに繁盛させてもらっていて。
それに加えて、季節限定メニューの考案とか地域のお祭りの打ち合わせとかが重なっちゃったもんだから……
ここ最近は多忙を極めていた。
それに、この妙に身体が重くてフラフラする感じは、溜まりに溜まった疲労だけのせいではないことも分かってる。
月イチ…重なっちゃって…
もうダブルパンチトリプルパンチどころじゃない。
涼「Aちゃ…」
『……ん?どうしたの?』
涼「ちゅーもん…」
『……あれ、気付かなかった。…ごめんね、何?』
くい、とエプロンの裾を引かれてようやく目を開くと、さっきよりは幾らかマシになった目眩にホッとする。
おずおずと差し出された紙には、サンドイッチセットの文字。
涼「りょー、つくるっ」
『え、…ううん、大丈夫だよ…?』
涼「つくるのっ」
トテトテと早足に材料を取りに行ったりょうたの背中を、もう一つの背中が追いかけていくのが見えた。
康「りょーくん!おれもやる!」
涼「じゃー…これもっていって?」
康「はぁーい!」
最近、色々と手伝えることが増えたこうじだった。
りょうたから食パンを受け取って、作業台のそばにある足場に飛び乗ると、袋から必要な枚数を取り出していく。
すっかり手慣れた様子に、微笑ましくなった。
『……いやいや違うじゃん…。……こうじ、わたしやるよ』
康「あかんの!」
『えぇ…』
自分に言い聞かせるように頭を振って呟いた後、こうじに近付いて作業を引き継ごうとするけど、こうじにも拒否をされる。
どうしたもんか…と突っ立っていると、不意に足元を叩かれた。
『、びっくりした…』
翔「じゃまだからあっちいってて」
洗い物をしてくれていたしょうたがその華奢な体と比べると大きいお鍋を抱えて立っていて。
あっち、と指差されたのは事務スペースだった。
『んー…でもまだお客さん居るし……』
粘ろうとする私を咎めたのは、
辰「Aちゃん?」
『あ…』
亮「おみせ、くろーずだしといたから」
やっぱりお兄ちゃんたちだった。
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まりも(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいています。リクエストなんですが、翔太くんと涼太くんがお店に来る前の家でのお話が見たいです!これからも更新頑張ってください! (2020年10月10日 15時) (レス) id: 2607901ad6 (このIDを非表示/違反報告)
Yuri - いつも楽しく読ませていただいています!更新、楽しみにしています!! (2020年9月29日 23時) (レス) id: 2467065cee (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おれんじ | 作成日時:2020年9月18日 15時