鍔迫り合い ページ8
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ふっかに叱られて、最初こそ大人しく椅子に座って佐久間やラウールの踊りを見てたんだけど、
だんだん不安とか焦りで身体がソワソワしてきて。
ふっかがなにやら真剣な表情で他のJr.くんたちと話をしているのを確認して、鏡の前に移動した。
手には模擬刀。この後のモノクロの稽古に向けて、自主練をすることにした。
dt「A、今ちょっといい？」
『ん？いいよ、どうした？』
dt「えっとね、」
しばらく動きを確認していると、同じく模擬刀を持った涼太が声をかけてきた。
誰よりも大きな熱量を持って殺陣に挑む涼太は、こうして私を頼ってくれることも多くて。嬉しい。
何でも器用にこなせるからこそ、ちょっとした癖とかが気になるみたいで。そこを調整していく。
『今、刃の向きがこっちになってるの分かる？これを……』
dt「……あぁ、なるほど。で、…こうか」
『そうそう。で、次が、』
でも、出会った頃こそ色々と教えもしてたけど、今はほんと確認くらいなんだよね。
涼太が意外と心配性で、完璧を求めるが故に細かいところまで気を配ってるってだけでさ。
その道のプロから見たら、私ですらまだまだだと思うし。
実家を出たのが9歳、その後も巡業で近くに来た時にがっつり稽古つけてもらって舞台を踏んでたけど、
今ではそれすらもしてない。
ブランクありまくり。だからこそ、私自身、焦ってる。
dt「……大丈夫？」
『え？』
dt「いやなんか…思いつめてる気がして」
『え、怖っ』
dt「てことは何かしら考えてはいるんだ？」
『んー…まあね。でも今はみんなそうでしょ、』
そうだけど…と納得していない涼太がさらに口を開きかけた時、モノクロの合わせを始めると号令が入った。
音楽に合わせて稽古場を縦横無尽に駆け回る。
叫んで走って跳んで振るって、徐々に上がっていく息にもう一度気を引き締めた。
そして迎えるソロパート。
私は最初は光にいるんだけど、戸板倒しを区切りに闇へと転身する、少し特殊な立ち位置。
私たちは「闇堕ち」って言ってる(笑)
だから固定の誰かとぶつかるわけではなく、あちこちから襲ってくる人をただひたすらに斬り倒していく。
黒からも白からも襲われるって感じ。
最後のひとりを斬って反対側へと捌ける。
縺れた足を何とか踏ん張り、端まで駆け抜けたところで膝から崩れ落ちた。
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り(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく作品を読ませていただいています！おれんじさんの「当たり前を褒められるようになりたい」って言葉とても響きました。私は自己肯定感が低いのでとてもその言葉に救われました！頑張りたいと思います色々！ (2020年9月1日 0時) (
レス) id: 064656c818 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - JUSTerさん» コメントありがとうございます！一番だなんて恐れ多いですが…嬉しいです(o^^o) これからもご愛読よろしくお願いします！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 美紀さん» お返事遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます。美紀さんも、おからだに気をつけてお過ごしください(^^) (2020年8月9日 20時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
JUSTer(プロフ) - 紅一点ものの中でこのお話が一番好きです！！！次楽しみにしてます！頑張ってください〜〜！(*´`*) (2020年8月8日 17時) (レス) id: a497860194 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月30日 20時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月30日 19時
