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結局、カメラマンさんがノリノリで撮った写真はご時世的にNGということでお蔵入りになった。
手助けの為とはいえ、やっぱり今の時期に密着はまずい。
インタビューを待つ間、楽屋に戻ろうとスタジオを出ると、誰かの話し声が聞こえた。
歩みを進めると、徐々にはっきりしてくる。
『……みません。…も、…きないことを出来ないと言うことを、私は恥ずかしいとは思いません。』
mg「……結城ちゃん？」
『あっ、めめ…』
ドンッという鈍い音に急げば、
角を曲がった先、自動販売機のある休憩所に結城ちゃんがいた。
……尻餅をついた状態で。
その前に立ってんのは、確かスタジオで機材を運んでたおっさん。
mg「大丈夫？」
『…ん、へーき』
mg「何でヒールなんか履いてるの。」
『えへ、…大丈夫かなぁー…って』
mg「佐久間くんが知ったら怒られるよ？」
『えー…照も怒るかなー…』
軽口を叩いてるはずの彼女の声は少しずつ震えてきて。
俯いた顔は見えないけど、肩に少し力が入ったのを見てどんな顔をしてるかなんてすぐに分かった。
mg「動かないで。スマホ持ってる？岩本くん呼ぼうね、」
『……ん、ごめん』
mg「……うちの結城と何してたんですか」
「俺は別に。」
mg「怪我させといて、別に？何も？」
「勝手に転んだんだよ。ちょっと肩押しただけなのに」
mg「だけ、って…」
人に怪我をさせておいて謝罪もしてなくて、なんで自分が不機嫌な顔できんだよ…。
なんて文句はなんとか堪える。
そんな俺の葛藤なんて知らないみたいに、おっさんは話す。
「女の癖に短いスカートもヒールもNGだなんてもったいないって話してたんですよ。だってそうでしょ？生足と胸元チラつかせてこその色気と魅力じゃないですか。ねえ？」
なんだこのおっさん。セクハラでしかねーよ。
呆れて俺は何も言わずに後ろを向いた。ちょうどやってきた岩本くんと一緒に結城ちゃんの肩を支えて楽屋に戻ろうとする。
「そうやって若いイケメンにチヤホヤされて、いいご身分ですね！」
まるで捨て台詞みたいなおっさんの言葉に、俺も岩本くんも一瞬足が止まった。
だけど、ここで逆上したら相手の思い通りになる。
そんなことよりもまず、結城ちゃんをあのセクハラ野郎から離すのが何よりも優先することだと言い聞かせて歩き出した。
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り(プロフ) - 初めまして。いつも楽しく作品を読ませていただいています！おれんじさんの「当たり前を褒められるようになりたい」って言葉とても響きました。私は自己肯定感が低いのでとてもその言葉に救われました！頑張りたいと思います色々！ (2020年9月1日 0時) (
レス) id: 064656c818 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - JUSTerさん» コメントありがとうございます！一番だなんて恐れ多いですが…嬉しいです(o^^o) これからもご愛読よろしくお願いします！ (2020年8月9日 20時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 美紀さん» お返事遅れてしまってすみません。いつもコメントありがとうございます。美紀さんも、おからだに気をつけてお過ごしください(^^) (2020年8月9日 20時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
JUSTer(プロフ) - 紅一点ものの中でこのお話が一番好きです！！！次楽しみにしてます！頑張ってください〜〜！(*´`*) (2020年8月8日 17時) (レス) id: a497860194 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年7月30日 20時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月30日 19時
