EP.11-3 ページ36
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俯いてしまったMALTに気付いたGUMは、言葉を選ぶように視線を巡らせた後で、「でもな」と話を続けた。
丸「MACはきっと、いや絶対。えいとを殺させるつもりはなかったんよ。もし父親がえいとを殺そうとするなら、何がなんでもえいとを取り返しとったはずや」
橙「………」
丸「えいとも傷つけず、父親を奪うこともなく、…自分も傷付かず。MACならそれができる」
橙「……自分も？」
MALTは「何がなんでも」という言葉に、当たり前のように、身を呈すことをイメージした。自分ならそうする、とも。
しかしその様子を見たGUMは「なるほどなぁ…」と呟いた。
丸「康二は、その…真都くん？とか、仲間たちが今にも殺される、ってなったらどうする？」
橙「そりゃあ、全身全霊で庇うよ」
丸「……命を差し出す？」
橙「仲間を守るためなら」
断固として言い切ったMALTの姿に、ふぅ…と吐かれた息。どうしてそんな心配そうな顔で見られているのか分からなかった。この世界で生きる以上、命を惜しんではいけない。
それはLONEも度々口にしているはずだ。なのに、何故。
丸「ほな聞くけど、自分が命を差し出して、仲間は助かるんか？」
橙「えっ、」
丸「命を差し出してその瞬間は守れたとして、その敵はお前を殺して満足すると思うんか？」
橙「それは…」
丸「" 守る " ってことは、最後まで見届けるってことや。守らなあかん人がおるなら、絶対にその人より先に死んだらあかんねん。みんながお互いのために自分の命を大事にする。そうすることで、自ずと誰も死なずに済んでいくんや」
辰哉ならこの事ちゃんと分かってると思うけど、という言葉にMALTはハッと思い付く。
橙「俺がここに来ること…」
丸「あー…分かってたかもな。……だってほら、」
そう言って、ふとGUMがポケットから取り出したスマホは新たな通知を知らせていて。
――康二のこと頼みます。
そんな一言がたった今、送られてきていた。きっとクラブにいないことに気づいた彼は、MALTの行動が読めていたのだろう。
ふわふわしているようで仲間のことを誰よりも把握し理解しているLONEの温かみに触れて、MALTは衝動に駆られた。
橙「俺…帰らな…」
丸「おん。しっかり守ったり。仲間も、真都くんも」
橙「はい！あのっ、ありがとうございました！」
丸「また子供たちにも会いに来たって」
もちろんです！と晴れやかな顔で返事をしたMALTは、軽快な足取りで駅へと走り出した。
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aya(プロフ) - eighterなのでパッチ懐かしくなりました！！世界観とかすごいです！続きも気になります、、 (2020年9月19日 18時) (
レス) id: 21fa8df380 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - (名前)vividさん» 普段おちゃらけてる人が真剣な話をしているところが好きなんです(笑) 今後もパッチさん出てくる、…かも？乞うご期待！ (2020年8月31日 12時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)vivid(プロフ) - ここに来てGUMの言葉深いわぁ。元々のパッチのメンバーとの繋がりもまた嬉し（≧∇≦） (2020年8月16日 6時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - さっちいさん» ご指摘ありがとうございます！他にも誤字脱字等もあるかもしれませんが、ぜひ作品を楽しんでいただければと思います…！(^^;) (2020年8月9日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - コメント失礼します。設定の阿部ちゃんの所、 常にラムネを持ち歩いてお里 となっていますが、 持ち歩いており の間違いだと思います！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9ffff271c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月11日 18時
