EP.8-1 見限った過去 ページ25
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真都に関する情報がなかなか集まらないまま数日が経過した。
最初はお互いに警戒し緊張していた彼らは、真都の無邪気さに絆されたか、すっかり馴染んでいた。
白「ねぇ、LONEさん」
紫「んー？」
メンバーの半分が外へ出ている真っ昼間。ホールのソファで寛いでいた真都は、隣に座ってゲームに没頭するLONEの方へ身を傾ける。
彼が口にしたのは、彼にとっては素朴な疑問だった。
白「何で、みんなあだ名？偽名？で呼び合ってるのかなって」
紫「……、」
白「お店で別の名前を名乗るのはまあ、何となくわかるけど。普段もそう呼び合うのって、なんか…寂しい、かなって。みんな仲は良いのに…」
寂しい、か。そんなこと考えたことなかった。
曖昧に微笑んだLONEは、一時中断したゲームを床に置いて真都の肩を引き寄せた。真都も身を委ねるように頭を傾ける。
紫「……知りたい？」
肩への感触で真都が頷いたと分かったLONE。天を仰いで１つ深呼吸をすると、そのまま静かに語り始めた。
紫「俺たちね、家族に恵まれなくて施設で育ったの。…死別した奴もいれば、愛されなかった奴もいる」
白「そう、なんだ…」
僕と一緒だ、真都はふと浮かんだ感情に自分で首を傾げた。確かに自分は今、親と一緒にはいない。だけど、親がそうなるように仕向けたかどうかの記憶はないはずなのに。
まるで、両親の仕業であると知っているかのよな感情だった。
LONEの話は続く。
紫「俺たちは一度バラバラになって、それぞれの道を生きてたはずだった。でも、気付けばまたこうして一緒にいる。再集合したときに決めたんだ。……過去を見限る、って」
白「過去を見限る…？」
紫「そう。過去の俺たちは社会に適応できなかった。人とは違う過去を言い訳にして逃げるばっかでさ。……でも、過去の経験や記憶は捨てられないんだよね。だから、見限った。見込みがないと自らを切り捨てて、違う人になろうとした」
――今思えば、どうしようもないガキだったんだよ。
そう言って笑うLONEの顔が痛々しく見えて、真都はそっと、見上げていた顔を下に向ける。「寂しい」と言った自分の言葉は、案外、的を射ていたのかもしれないと思った。
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aya(プロフ) - eighterなのでパッチ懐かしくなりました！！世界観とかすごいです！続きも気になります、、 (2020年9月19日 18時) (
レス) id: 21fa8df380 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - (名前)vividさん» 普段おちゃらけてる人が真剣な話をしているところが好きなんです(笑) 今後もパッチさん出てくる、…かも？乞うご期待！ (2020年8月31日 12時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)vivid(プロフ) - ここに来てGUMの言葉深いわぁ。元々のパッチのメンバーとの繋がりもまた嬉し（≧∇≦） (2020年8月16日 6時) (レス) id: 99ce633299 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - さっちいさん» ご指摘ありがとうございます！他にも誤字脱字等もあるかもしれませんが、ぜひ作品を楽しんでいただければと思います…！(^^;) (2020年8月9日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
さっちい(プロフ) - コメント失礼します。設定の阿部ちゃんの所、 常にラムネを持ち歩いてお里 となっていますが、 持ち歩いており の間違いだと思います！ (2020年8月9日 21時) (レス) id: 9ffff271c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年7月11日 18時
