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傷口や右手の血を拭い、新しいガーゼを取り出す。
慣れたように傷の手当てをしていくふっかの手つきをボーッと眺めていた。
『……手、これじゃあいつまでも綺麗にならないね、』
『……ふっか？』
返事がないことを不思議に思って顔を見上げると、ふっかは静かに涙を流していた。
私の視線に気付いて慌てて拭う。
fk「わりぃ…っ、」
『いや…謝ることじゃない、けど…』
fk「あぁー…ダメだな…。お前の話を聞いて、本当なんだって実感しちゃってさ…ハハッ、」
渇いた笑みを浮かべたふっかに、居た堪れなくなって右手を伸ばし、流れた涙をすくった。
『大丈夫、大丈夫。…私、寝てるから、…さ』
fk「っ…ふっ、うぅ…っ」
声を押し殺して涙を流すふっかは、それでも丁寧に包帯を巻いてくれて、
そのまま手を繋いで無言の時間を過ごした。
私は目を瞑り、時折お互いの存在を確かめるように力が入る手に安心しながら、
いつの間にか眠りに落ちていた。
fk「…起きて、…起きてゆき、」
『……ふっか、？』
fk「みんな来たよ。リハ始めるってさ」
優しく肩を叩かれて目を開く。
ふっかの目は少しだけ赤かった。見渡したみんなの顔も、とてもいつも通りとは言えない表情で。
笑顔では居たけど、暗い雰囲気でリハーサルが始まった。
sk「間奏終わり、俺と舘様でセンター割り？」
dt「それがいいかな。間は俺が埋めるよ」
『ねえ待って。センター私が入りたい』
sk「は？」
アクロバットの調整をしている時。
私はいつも、照の影で回し蹴りをしている。
だけど今日は照の立ち位置でバク宙をしたいと主張した。
だけど、メンバー…特に佐久間は反対する。
sk「お前、怪我してから控えてたんじゃねえの？」
『……確かにやらないようにしてた。……でもそれはライブの為に休ませてただけで、ちゃんと完治もしてるもん！』
sk「だからってな、……第一、ブランクがあるのにいきなりやるのは危険だろ？！」
私たちの言い合いを、メンバーは止めなかった。
『できる！っお願い、私も照のために何かしたいの…！』
sk「……立ち位置は前にする。……リハで一回まわって、それでダメだと判断したらいつも通りの動きにしろ。……いいな」
『……ありがと』
佐久間のお許しを得て、立ち位置の調整は終わった。
後は2曲を通して踊り、本番を迎えるだけ。
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おれんじ(プロフ) - なこさん» お待たせしました！お話書かせていただきました。改めて、リクエストありがとうございました。 (2020年7月26日 1時) (
レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - なこさん» リクエストありがとうございます。久しぶりにコメントの通知が届いて嬉しいです(*^^*) 早速執筆を始めますので、しばしお待ち下さいませ！ (2020年7月18日 22時) (レス) id: f2384aad00 (このIDを非表示/違反報告)
なこ - リクエスト大丈夫でしょうか？紅一点と佐久間くんの2人が些細なことで喧嘩してしまうけど、本当は佐久間くんは体調を崩していて高熱出しながらも無理しながらお仕事していて、それに気付いた紅一点が支えながらお仕事頑張るお話がみたいです！お願いします！ (2020年7月18日 22時) (レス) id: f423dff0dd (このIDを非表示/違反報告)
aaa3jsblove(プロフ) - 始まりと共にもこちらのお話もどちらも大好きです！これからも楽しく読ませていただきます！更新無理しない程度に頑張ってください！応援してます！ (2020年6月8日 13時) (レス) id: 3ed7af7ab0 (このIDを非表示/違反報告)
おれんじ(プロフ) - 美紀さん» ありがとうございます。頑張ります。コロナ早く収束すれば良いのですが…。 (2020年6月8日 13時) (レス) id: 4ba10d4cf4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年5月17日 2時
