８７、紫 ページ40
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雪「……どうして、」
雪村さんは強い口調で話し出した。
雪「私は出会ってすぐにみんなと打ち解けた。みんなあの人よりも私を信じたのに。私の方があの人よりもみんなに愛されていたはずなのに…！」
fk「それは…、…」
雪「少し騙すだけですぐに見放すような繋がりじゃない…、どうしてそんなに必死になって後悔してるのよ…！私とだって頑張って…何が違うのよ…！」
支離滅裂な物言いで、彼女が何を言いたいのかはいまいち伝わってこないけれど。
彼女の中で何か目的が果たされなかった事は十分に伝わった。
きっと、そこまで明確な悪意があったわけじゃない。
負の感情は、飲まれてしまえば負の連鎖しか生まないから。
fk「……貴方は寂しい人だ」
雪「っ…、」
みんな戸惑ったり、もはや面倒に思ってそうな奴もいて。
――俺が動くしかない。そう思った。
雪村さんは一歩近付いた俺に、怒りを含んだ目を向ける。
俺はなるべく優しく、刺激しないように、話し始めた。
fk「貴方が人を、あいつを傷付けてまで何に苦しんでいたのか、俺たちは気付くべきだった」
雪「貴方たちになんか…」
fk「わかるはずもない、ですよね。ぶっちゃけ知るのは怖いですよ。女の子って怖いっすもん(笑) だけど、愚痴を聞くことぐらいはできたはずなんです」
ふと目が合った照は随分と険しい表情をしていて。
なんでAを傷付けたやつを庇うような真似をするんだ。
慰める必要なんかない。突き放してしまえばいいのに。
そんな感じに見て取れた。
だけど俺は、別に彼女を慰めようとかそういうつもりはない。
fk「仕事仲間なんて全員が全員、相性がいい訳ないですよね。巡り合わせってなかなか選べるものじゃないし」
雪「なに言って…」
fk「んー、だから、嫌いなら嫌いでいいと思うんですよね。んで、もっと早く離れるべきだったんですよ、俺たちきっと」
とは言え、特に女の子には、厳しくなりきれないのが俺のダメなところなんだろうな。
きっと、あいつの言う「優しすぎる」部分の１つだ。
fk「もう、終わりにしませんか。……俺たちは貴方の望みを、それがどんなに簡単であっても、叶えてあげることはできない。絶対に」
雪「……」
俺たちはあいつを、ゆきとすれ違ったままでいる訳にはいかないんだ。迎えに行ってあげなきゃいけない。
だから俺たちは、
fk「…貴方を受け入れることはできません」
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むち(プロフ) - 大号泣しました。。すっごく苦しくて感情移入しちゃって。素敵な作品でした。ありがとうございました (2021年4月27日 1時) (
レス) id: fc08b9a7cc (このIDを非表示/違反報告)
テクノに恋した天気予報士 - うらつくの作品でこんなにも泣いた作品は初めてです、もうほんとに明日学校あるのに目が腫れるってくらい泣きました、本当に面白かったです。素敵な作品ありがとうございました (2020年7月28日 23時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
えびまろ(プロフ) - 初めまして。この作品を読んでいると、信じてもらえず本当の気持ちも言えないもどかしさ、苦しみに気づいて支えてくれる優しさ、気づけなかったメンバーの後悔など様々な感情で胸がいっぱいになり、終始涙でした。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月15日 0時) (レス) id: 79d7d19d55 (このIDを非表示/違反報告)
う(プロフ) - 初めまして、1から全て1気に読みました、ずっと涙が止まらなくて苦しくなるほどでした、こんなに感情移入したのは久々でした、素敵な作品をありがとうございました、最後に幸せになれて良かったです、お疲れ様でした (2020年7月10日 0時) (レス) id: ab44f752c1 (このIDを非表示/違反報告)
renyaxxx8(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました。号泣しました！！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年6月29日 4時) (レス) id: 24c62dd776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年5月8日 22時
