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mg「亜美さんと何かあったんすか？」
リハの途中で呼び出されて、終わった後に2人きりになったかと思えば、開口一番にそう言われる。
何の脈絡もない突然のことに聞き返すことしかできなかった。
mg「さっき楽屋出るときに、たまたまかもしれないけど、避けてたように見えたから。なんかあったのかと思って」
『…別に何も』
mg「本当に？」
『…あったとしても、年下には迷惑かけられないし』
言ってから気付いた矛盾。
目黒にも「ラウールは頼ってんのに？」と嫌味たらしく言われて何も言えなくなる。
それでも何処か意固地になっている私は、
『…だってめめ、今の私は嫌いでしょ』
mg「うん、嫌い。感情が見えねえんだもん」
『っ…』
自分から振ったくせに、簡単に頷かれるとちょっと辛い。
そんな私の気持ちを知ってか知らずか、目黒は淡々とそのまま言葉を繋げていく。
mg「……前はもっと、なんていうか…お互いに向き合ってて、顔が見えてた。…でも今は靄がかかったみたいに感じる」
『………』
mg「肝心なところが何も見えてこない、偽りだらけの結城ちゃんは嫌いです」
真っ直ぐな瞳には確かに嫌悪が滲んで見えて、それでいて全てを見透かされているような、
そんな真っ直ぐすぎる瞳に、耐えきれなくて目を逸らす。
『……めめは素直でいいね、』
mg「どういうこと？」
『……なんでもないよ』
今の私が嫌いなら、嫌いのままでいい。
どうせ別れることになるんだから。
嫌いのまま別れた方が、後腐れもないだろうから。
前の私と今の私が変わってしまっていると分かっているなら、前の私を好きでいいてくれるなら、
それでよかった。
mg「何でなの。何で俺には何も話してくれないの」
『…ライブを楽しんでいるときは何も偽ってないつもりだから。…その時だけ一緒に楽しんでくれればそれでいいよ』
mg「はぐらかす気？ ちょっと、…おい待てって、」
聞こえてないふりをして、掴まれた腕を振り払って、私は足早に楽屋へと戻る。
みんなのところまで行けば、目黒は諦めたみたいだった。
ru「めめに話したの？」
『……いいんだよ、話さなくて』
dt「…Aのその諦めてるみたいなところ、俺はあんまり好きじゃないんだけどな」
涼太の言葉に何も言い返せなかった。
「みたいな」じゃなくて、諦めたから。
ここに居座ることを、既に、諦めちゃっていたから。
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むち(プロフ) - 大号泣しました。。すっごく苦しくて感情移入しちゃって。素敵な作品でした。ありがとうございました (2021年4月27日 1時) (
レス) id: fc08b9a7cc (このIDを非表示/違反報告)
テクノに恋した天気予報士 - うらつくの作品でこんなにも泣いた作品は初めてです、もうほんとに明日学校あるのに目が腫れるってくらい泣きました、本当に面白かったです。素敵な作品ありがとうございました (2020年7月28日 23時) (レス) id: f20013ee9d (このIDを非表示/違反報告)
えびまろ(プロフ) - 初めまして。この作品を読んでいると、信じてもらえず本当の気持ちも言えないもどかしさ、苦しみに気づいて支えてくれる優しさ、気づけなかったメンバーの後悔など様々な感情で胸がいっぱいになり、終始涙でした。素敵な作品をありがとうございました。 (2020年7月15日 0時) (レス) id: 79d7d19d55 (このIDを非表示/違反報告)
う(プロフ) - 初めまして、1から全て1気に読みました、ずっと涙が止まらなくて苦しくなるほどでした、こんなに感情移入したのは久々でした、素敵な作品をありがとうございました、最後に幸せになれて良かったです、お疲れ様でした (2020年7月10日 0時) (レス) id: ab44f752c1 (このIDを非表示/違反報告)
renyaxxx8(プロフ) - めちゃくちゃ泣きました。号泣しました！！素敵な作品ありがとうございます！ (2020年6月29日 4時) (レス) id: 24c62dd776 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おれんじ
| 作成日時：2020年5月8日 22時
