絆奏（２）

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実は、身体が変だなと思ったのは昨日の夜から。


何となく、フラフラ…ボー…ッとするなぁ、と思って。
危ないなぁ、と思って早めにベッドに入ったの。


朝起きたら、案の定、怪我してたあたりが痛んで。





kj「たくまくーん、」


sk「んー…こぉじ…」


kj「朝ごはんできてんで。みんなで食べよっ」





起こしに来てくれたのが康二だったから、年下に心配かけられないと思ってその時は言い出せなくて。


まあ朝ってバタバタするじゃん、特に今日は早かったし。


だからふっかとかにも言うタイミング逃して…


で、現場着く頃には痛みにも慣れて来てたから大丈夫かなぁ〜…と思い始めて。





ab「……停まってる」


sk「じゃあ階段だね、っ」


ab「……佐久間、大丈夫？」


sk「ん？なにがよ(笑)」





さすがにフラッシュ浴びて撮影終えた頃にはまた朝みたいに痛んでたんだけど。


ペアが阿部ちゃんだったから、これまた心配かけられなくて。


スタジオのある階から楽屋のある階に下りようとして、





sk「…っ、うぅ、」


ab「ぇ、佐久間…？」





突然強くなった頭痛に思わず手が頭に伸びて、その瞬間に足を踏み外しちゃって、

咄嗟に伸ばした手が壁も手すりも捉えられなくて、





sk「――、ゴロゴロゴロー…バターンって感じ」


fk「いやだから、軽いのよ。言い方が」


sk「さすがに焦ったね。受け身とったつもりだったけど、速攻で意識飛ばしちゃったし」





阿部ちゃん、思い出しちゃったんだろうなぁ…事件の始まり…


と思って阿部ちゃんを見てると、キュッと誰かが俺の手を掴んだのが分かって振り返る。





sk「……照？」


iw「お前は優しいな。本当、優しいよ…」

sk「ありがとう…？」





俯く照の表情は良くは見えないけど、笑ってないことは分かる。





iw「っ…でも、頼むから、自分も大事にしてくれ…」





か細い声と反対に、ギュッと手を握る手に力が込められる。


……心配かけちゃったな。





sk「ごめんね。次はちゃんと言うようにするよ」


iw「……ん、そうして」





未だ俯いたままの頭が小さく頷いたのを見て、少し愛おしくなって手を伸ばす。


ふさふさの髪に触れれば、

涙こそ流れてないだけで今にも泣きそうな、だけど心なしか安心したような泣き笑いを見せてくれた。


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