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舘さんに謝られている張本人の阿部ちゃんも見に覚えがないみたいで首を傾げてる。
fk「舘さん、何がごめん?」
dt「…ハァ…ッ、まもれっ…なかったッ…ハァ、ッハ…」
荒い呼吸の中で紡がれた言葉は恐らく事件当時の心情で。
もしかしたら高熱に冒されて、気持ちが当時に戻ってしまっているのかもしれない。
dt「おれがっ…ハァッもっと…ッ、がんばっていれば…っ、」
これが今日の舘さんがやたらと頑固な理由か。
…分かったけど、どう対処すればいいかはわからない。
俺が困って動けずにいると、阿部ちゃんが舘さんの身体を支えて顔を覗き込んだ。
ab「俺はいっぱい守ってもらったよ。舘さんがいたから生き長らえてると思ってるくらいなんだからね」
fk「そうだよ。阿部ちゃんだけじゃない。俺たちだって助けられてるんだよ」
阿部ちゃんの言葉に合わせて精一杯の感謝の気持ちを込めて言葉を吐き出せば、
舘さんの表情はいくらか和らいだ、…気がする。
dt「…ハァ、ハァ…ッハ…ハァ、」
ab「っえ、舘さん…?ちょっ…」
fk「あー…もう、無理しすぎなんだってば…」
だけどその分、気張っていた意思が緩んだ分、余計に意識は朦朧としだしていて。
この後は俺ら3人でグループインタビューの予定だったけど、一旦楽屋に戻らせてもらうことにした。
背中から感じる異常とも言える高温に焦る。
fk「これ大丈夫なの…」
ab「確か、事件の時もこんな感じだったはず…」
fk「これも思い出しちゃった代償だってことかよ、」
ていうか、こんな状態でも無理させてたと考えると、あの時の自分をぶん殴ってやりたい…
というか頭の中ではボコボコにした。
楽屋に着いてソファに降ろす頃には、起きてるのか気を失っちゃってるのかも曖昧な状態。
fk「舘さん?手、握れる?」
dt「ハァ…ハァ…」
fk「……ん、意識はあるね」
阿部ちゃんが医務室から色々と借りてきてくれて、できる限りの介抱をしているうちにみんなが戻ってくる。
nb「涼太、大丈夫なの?」
fk「意識は一応あるみたいだけど、起きる元気はない」
mg「こんな弱々しい伊達さん初めて見た…」
kj「また無理させてしもたな……」
体調不良に気づいてあげることができなかったことに、みんな落ち込んでる。
暗い雰囲気のまま、帰り支度を始めた。
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舞夜(プロフ) - リクエスト宜しいでしょうか。阿部ちゃんが急に不安になっちゃって佐久間だけに甘える話を読みたいです。いつも応援してます。これからも頑張って下さい。 (2020年5月11日 22時) (レス) id: 4eafdf0209 (このIDを非表示/違反報告)
ミルキー - リクエストお願いします!舘様が体調不良の中みんなの為にご飯を作っていて火傷してしまい、みんなに助けてもらうお話をお願いします。 (2020年4月25日 3時) (レス) id: e268878af5 (このIDを非表示/違反報告)
ちかりん(プロフ) - リクエストお願いします。深澤くんの体調不良で倒れちゃって、部屋にお見舞いの品が続々届く感じの話でお願いします。難しいようでしたら大丈夫です。 (2020年4月23日 17時) (レス) id: be1cc30b1b (このIDを非表示/違反報告)
niko(プロフ) - 舘様が全身に自傷行為をしてラウールに見つかってしまうお話をお願いします! (2020年4月21日 23時) (レス) id: f87f8b0d6d (このIDを非表示/違反報告)
ひらめ - 康二君が熱があり、甘えん坊、もっと寂しがり屋になってSnowManのみんながでれでれになりながら看病するのをお願いします! (2020年4月19日 8時) (レス) id: 579ffd5296 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おれんじ | 作成日時:2020年4月10日 21時