9人で囲む食卓は暖かい〜JUMP〜

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八乙女side


あれからしばらく寝るつもりだったが、みんなの足音で目が覚めた。



……胸がいたい。



きっとこの痛みは気のせいだと思って部屋から出ると、



伊「あ、光〜。いたんだ〜。みんなで知念の部屋覗くんだけどさ…」

八「わかった。行く」



伊野尾についていくとみんながドアの前にへばりついていて、



「素敵だな…」なんて呟いてた。



けれどこの素敵な空気の中に俺はいちゃいけない気がして、



八「ごめん、俺部屋戻るね」



って告げて足早に部屋に戻った。



その頃は、薮のことなどすっかり忘れてて、



今は喧嘩のことなど忘れるくらい、ただただだるかった。







時々、思う。



自分がどんなに無力であるか気づかされる。



比べちゃいけないって分かってるのに、どうしても他の誰かと比べちゃって……



「はぁ…」と思わず溜め息が漏れる。



自分で自分を陥れてることなんてとうの昔にわかってる。


分かってるけれど、なんだか食事が喉を通らなくて、ああ、もういいやって諦めてる自分がいる。



同じ家に住んでるはずなのに、どうしてここまで知念たちと世界が違うのだろう。






……孤独。なんだか雨が強くなった気がした。

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