お前じゃないとダメっていって【名探偵コナン】

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始業式から1週間、特に何事もなく平穏な日々が続いた。
しつこかった男たちは諦めたのかどうなのか知らないが、あれ以来絡んでくることはなかった。
ミーハー女は相変わらず工藤くんを見てはきゃあきゃあうるさいが。

工藤くんと連絡先を半ば強制的に交換したものの、やり取りをすることは一切なく、追加する必要はあったのか、と疑問に思う。

彼は何かあったら連絡していい、と言ったが仮に何かあったとしても相談などはまずしないだろう。そもそも連絡するならまず琴にする。
仲良くする気がさらさらなくて申し訳ない。

これはただの勘だが、工藤くんと親しくなるのは危険な気がする。
工藤くんは容姿端麗、頭脳明晰であり、基本は人当たりもいい。ミーハー女が夢中になるのも、まあわかる。

だが彼にお近づきになるのは良いことなのだろうか。答えは否、である。

この学校の一部には工藤新一過激派がいると聞いているし、その過激派に目をつけられたらたまったもんじゃない。女の嫉妬は怖い。

私の身の安全のためにも、工藤くんとはただのクラスメイトを貫くのが得策だろう。
勘違いしないでほしいが、決して他の理由があったりしない。


LHRの現在、ぼーっとしながら先生の話を聞く。
再来週に、毎年恒例の新入生歓迎ハイキングがあるらしい。略して新歓ハイク。

その名の通り、学校から少し離れた公園まで歩くのだが、それがまあだるい。
縦割りでいくつかの班に分かれて、班ごとにハイキングをする。
道中はちょっとしたクイズなどがあり、正解率の高かった班は後ほど表彰され、お菓子などの景品が貰える。

つまるところ、同学年だけでなく先輩後輩と交流して仲良くなろう、という企画である。
面倒くさすぎる。
雨天時は校内でレクリエーションを行うだけなので、雨が降ってしまえと思っている。
琴に聞かれたら、クズめ、とか言われそう。

一学年男女5人班で、全学年合わせて15人でひとつの班になる。

私はまず古谷と組み、あと一人女子を誘うか迷ったが、一人で残ってる女子もいなかったため、二人でいいか、と即決。

男女の組み合わせはクジで決めるらしいので、私は席に座り、前の空席に古谷が座って、各々組み終わるまで雑談する。

「一乃、あれ見て」
「ん？」
「ほら、碓氷さん」
碓氷さんとは例のミーハー女である。

「クジだって言ってんのに、新一くんの班に一緒になろう！って誘ってる」
「ホントだ、おもしろ」
「全然相手にされてないけど」

二人で笑いあった。

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