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冷たい北風が吹いて、思わず身を震わせた。

3月某日。
キーンコーン、と鳴り始めた予鈴を、あ、チャイムなった、とどこか他人事に思いながら、寝そべって伸びをする。

家庭研修で3年生のほとんどいない学校はいつもより静かで、活気を失った気がする。
いや、それは言い過ぎかもしれない。

3年生がいなくなったおかげで、2年が自由に使えるようになったグラウンドでサッカーをしているのが見えた。
予鈴なったのに教室戻らないのかな。まあ私もだが。

5限目は入学候補者説明会のための準備をするらしい。

学年末テストは終わってるし、どうして知らない人のために私たちが準備なんて、と思うが、お前らの最後の後輩のために頑張れ、なんて無責任なことを担任が朝のSHRで言っていた。
知ったこっちゃない、本当にめんどくさい。

そろそろ行くか、とあくびをして、ようやく立ち上がったら、思わずひっ、と声が出た。

私の顔を、いつの間にか1人の男子生徒が見下ろしていた。見知った顔だ。

「お、起きた」
「……」
「もうあと2分で授業始まるぜ?」
「……あ、そ。どうせ体育館集合で点呼は取らないんだから、多少遅れたって怒られたりしないでしょ」
「まあな」
「それに、あんただって遅刻じゃん」
「まあなー!」

なぜだか知らないが私の後ろを着いてくるこの男は工藤新一、同い歳。
隣の隣のクラスくらいで、同じクラスになったことはない。

しかし彼は有名で、顔がいい上に頭もいい、たまに警察の捜査に協力している、らしい。
後輩先輩関係なく人気者だ。

そんな彼が、校舎の影になっているこの薄暗い場所になんの用だろうか。

「あんたなんでここにいんの?グラウンドにいたよね?」
「なんで知ってんだ?」
「サッカーしてるの見えただけ」
「ふーん。オレはボール片してたら寝てる奴が見えて、サボるつもりなら先生に言いつけてやろうと思って」
「……意外と小学生みたいなことするのね、あんた」
「工藤新一」
「……は?」
「お前さっきからあんた、って言ってるけど、オレ、工藤新一だから」
「知ってる」
「なんだ知ってんのか、じゃあお前は?」
「……」

じゃあってなんだろう。じゃあって。

「……知らないの?」
「ああ、だから聞いてる」
「知らないなら教えない」
「はあ?」

自惚れるわけではないけど、私の顔と名前はこの学校では有名だと思ってた。

去年まで在学していた人気者、一乃菫の妹は。

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未設定 - 世界一好きになれない夢主。胸糞悪い (2023年3月5日 17時) (レス) @page48 id: 438400fe3d (このIDを非表示/違反報告)
新一君しょうこ(プロフ) - はじめまして(新一君が大好きで名前申し訳ございません)前作のお話もとても大好きで、ありがとうございます胸にぐっときて涙が止まらず新一くんとこれまで悲しい思いをされた夢主様の未来お祈りしてやまないですこれからも応援させて頂いていますありがとうございます (2020年7月6日 13時) (レス) id: 84fa2ad3c6 (このIDを非表示/違反報告)
さち - すごくおもしろいです。後日談も気になりますが、このままでも十分ですよね。次回作も楽しみです。よろしくお願いします。 (2020年7月6日 13時) (レス) id: 45c5a17459 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ああもう!お疲れ様でした!最高でした。途中途中で涙ぐみながらハッピーエンドで幸せいっぱい!夢主ちゃん良かったああ (2020年7月5日 19時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)
オトハ - めっちゃ好きです。これからも無理せずに頑張ってください! なぜ高評価は一回しか押せないのだろうか、 (2020年6月15日 17時) (レス) id: ef611ec012 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2019年12月15日 17時

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