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誤解してる ページ31

ああ、もう。
お母さん最悪だ。

「それ本当?」
新一が目を丸くした。

「ええ。学校のこと聞いても、女の子のお友達のこととか蘭ちゃんと新一くんのことばっかり」
「ウソ」
「ホントよ」
「だって、A……」

新一がわけがわからなそうに私を見た。
目をそらす。

「Aモテないのね、お母さんと違って」
信じられない。
お母さん空気読めなさすぎる。

「それで、なあに?A新一くん以外に好きな子いるの?」
「……」
「A?」
「……」
無視する。
「クラスに遥樹ってやつがいて、」
「遥樹?」
「ちょっと!新一!」

勝手に話し始める新一。
なんなの。
この人たち、なんなの。

「遥樹のこと好きなの?って聞いたら、好き、って答えて」
「え?Aが?」
「そう」
「ねえ!やめて!」
「だからA、俺じゃなくて遥樹のこと好きなんだろ?」
「ちょっとやだ、本当?」
「もうこの話やめようよ……」

なんで家族の前でこんな話しなくちゃならないの。ありえない。

それに新一、やっぱり誤解してる。
遥樹くんに対しての好きって、和花ちゃんや千花ちゃんに対する好きと同じ意味なのに。
友達として好き、ってことなのに。

「……でも新一だって、蘭ちゃんのこと好きなんでしょ?」
「それは、」
「新一くんも好きな人変わったの?」
「え」
「さっき聞いたら好きって言ってたよ」
「へぇー。小さい頃は好き好き言って、ずーっと結婚するー!って言ってたのにねぇー」
「いつの話してるの……」
「でもおかしいわねぇ」
「おかしい?」
「有希子ちゃんが言ってたんだけど、」
「ごちそうさま!瑞紀、あとでゲーム一緒にやるか?」

新一が焦ってお母さんの言葉を遮った。
眠そうな瑞紀がぱっ!と顔を上げた。

「やる!」
「じゃあ食ったら俺んちこい!」
「うん!」
「こんな時間からゲーム?」
「ダメ?」

瑞紀が可愛く首を傾げた。

「……ちょっとだけよ」
「わかった!」
「じゃ、俺家戻るわ!」
「はーい。また明日ね」
「バイバイ」
「おう!」

新一が私の本を持って慌てて帰っていく。
最低最悪な恋バナがおわってちょっとほっとする。

「……でお母さん、何言おうとしてたの?」
「ふふ。新一くん、きっと知られたくなかったのね」
「何を?」
「大丈夫よ、A」
「え?何が?」
「新一くん、なぁんにも変わってないわよ」
「……?」

質問に答えてくれない。
お母さんが、ふふっと笑った。

つまんない→←スフレドリア



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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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