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興味ない人 ページ26

寝そべってたら、隣に座る新一がなんて声をかけたらいいか迷ってるみたいで、笑いがこみ上げてきた。

「……ふふ、新一、ごめん」
「ごめん?」
「なんか困ってるね、ごめんね、今の忘れて」
「……簡単に忘れられるほど、おれの頭は都合良くできてねーから」
「知ってる、頭いいもんね」
「お前こそ」
「じゃあさ、今だけ都合のいい頭になってよ」
「はぁ?」

言ってることがめちゃくちゃ。
新一が眉間にシワを寄せて、何言ってんだこいつ?みたいな顔した。

「……」
「……」

長い沈黙の末に、新一がぼそりと呟く。

「お前は、つまらない人間じゃないよ」
「……え?」
「例えばさ、お前、学校に嫌いな奴とかいる?」
「嫌いな人?」

いきなりなんの話。
なんで?って聞いたら、いいから、って言われた。

「……嫌いな人は、いないよ」
「嫌いな人は?」
「は」を強調して言った。

「うん。興味ない人ならいるけど」
「興味ない人」
「隣のクラスに大山と高橋って子いるでしょ?」
「ああ、俺にラブレター送り付けてくる奴ら」
「……新一にもそんなことしてたの?」
「も?」
「遥樹くんもラブレター貰ったって言ってた」
「へー、俺はもう6枚は貰ったかな。内容は毎回、顔が好きです!だけど」
「げー」
「まあここまで率直なのも珍しいよな」
「そうだけど……私あの人たち好きになれないんだよね」
「なんで?」
「大山さんと高橋さんね、毎日のように私の悪口言ってるの」
「悪口?」

新一が眉をひそめた。
「私に聞こえるようにね、新一に近づかないで、とか、色目使ってる、とか」
「はぁ?」
「小学生に色目も何もあるかって」
「そこじゃねーだろ……」

新一が、はぁー、と大きくため息をついた。

「わざとぶつかってきたこともあった」
「わざと……」
「私に嫌がらせなんてしてどうするんだろうね?別に新一と付き合ってるわけでもないし、ただの幼馴染なのに」
「……うん」
「和花ちゃんもそういうことあったみたい」
「あいつも?」
「うん。だけど和花ちゃんは二人に、やめてって言ったんだって。そしたらパッタリなくなったらしい」
「じゃあお前も、やめろって言えばなくなるんじゃねぇの?」
「私も?ムリムリ、怖くて言えない」
「……俺が言っとこうか?」
「ダメだよ、新一のことで嫌がらせされてるのに、本人が言ったら悪化しちゃう」
「……」
「って遥樹くんが言ってた」
「……遥樹も、Aが嫌がらせされてるって知ってた?」

新一が目を丸くした。

好きの反対は無関心→←羨ましい



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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀(みずき)と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…!なんつー濃い恋愛を…!この小説すごく好きです!遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです! (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです!正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやの | 作成日時:2018年3月1日 22時

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