レモン ページ18
初めて新一と大きな衝突をした2学期が終わって、冬休みになった。
新一と一緒に蘭ちゃんの大会を見に行った。
蘭ちゃんは惜しくも決勝戦で敗退し、準優勝だった。
「初大会にしちゃあよくやったんじゃねぇか？」
「でも……勝てると思ったんだけどなぁ」
新一と蘭ちゃんの会話の中で、蘭ちゃんは涙を流していた。悔し泣き。
どれだけ身体が強くても、やっぱり心は弱いんだなぁ、とか思ったり。
冬休みが終わって、3学期もあっという間に過ぎ、私たちは6年生に進級した。
そして今日は、5月3日。
私と新一の誕生日の前日。
私の家で、ピアノをゆるく弾きながら、明日はどうする？ということを話していた。
「いつも通り、どっちかの家で祝う？」
「去年はお前ん家だったっけ？」
「うん。チョコケーキ食べた」
「じゃあ今年は俺ん家で、ケーキはレモンパイな」
「レモンかー……」
「なんだよ」
「ちょっとだけ苦手なんだよね」
「なんで？」
「すっぱいから」
「そうか？」
新一が首をかしげる。
「前に、私の家族と新一の家族でご飯食べに行ったでしょ？」
「しょっちゅう行ってるな」
「うんまあ、そうなんだけど。駅の近くにできた中華屋さんに行ったとき」
「あー、4年くらい前か？」
「そこまではわかんないけど、そこで唐揚げ頼んだの。6個くらいのってて、レモンがついてるやつ」
「ああ」
「それでね、お母さんたちが私に何も聞かずに勝手に唐揚げにレモンかけて、私もそれを食べて」
「なんとなくわかった……」
「その唐揚げの味が衝撃的で、それからレモンがなんとなく苦手になったの」
「なるほどな」
うんうん、と新一が頷く。
「でもパイにするし、ちょっとは甘くなるんじゃねぇ？」
「なるかなー……」
「Aが食べれなかったら俺が食べるし」
「そっか」
「とにかく、明日な。母さんには言っとくから」
「うん。蘭ちゃんは？」
「学校で言えばいいだろ」
「わかった」
新一が私の机の上に置いてある本を見つけて、パラパラめくる。
「ツルゲーネフ……これ、面白い？」
「私には難しくて、よくわかんなかった」
「借りていいか？」
「いいけど、それ恋愛小説だよ？」
「まあ……たまには……」
「読み終わったら私にもわかりやすく説明して」
「おう」
じゃあ借りてくわ、と言って、私の本を持って新一は帰っていった。
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極・吹雪姫 - ちょっとびっくりしたのが、弟の瑞紀（みずき）と私の「ミズキ」が被ったことだわね。 (2019年5月2日 20時) (
レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
極・吹雪姫 - ごめんなさい、本当に途中で泣きそうになったわ。「泣く」ですわ。泣いたページ。 (2019年5月2日 20時) (レス) id: c4455a25af (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - こいつらまだ小学生だった…！なんつー濃い恋愛を…！この小説すごく好きです！遥樹くんのちょっとした嫉妬がこぼれて、それを見てとても切なくなる。ヒロインの気持ちはよく理解できるけど、やっぱり遥樹くんがいちばん好きです！ (2019年3月11日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
松野かほ(プロフ) - 遥樹くんの読み方を今初めて知った← (2019年2月13日 15時) (レス) id: 45fd1e6358 (このIDを非表示/違反報告)
みお - この小説好きです！正直言うと新一より遥樹くんの方が好きだったのでくっついて欲しかったなぁって思ってます() (2018年6月8日 19時) (レス) id: 0646f7c2e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みやの | 作成日時：2018年3月1日 22時
