春、来る ページ15
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10分くらい経っただろうか。
ジメっとした梅雨の気温は肌にへばりついて、廊下に座っていた私達はベタベタとした汗をかいていた。
「ごめんね、迷惑ばっかりかけて……」
自然と出た謝罪は、彼に嫌われたくないという現れ。
どれだけ好かれていないことを知っていても、これ以上嫌われたくはないと願うのは人見知りだから、と言うより私が弱いからだ。
「別にええって言っとるやろ」
返ってくる返事はいつもどおり冷たいけど、気遣ってくれていることがその言葉から伝わってくるので、少し安堵する。
「もう立てるようになったから、帰ろっか。……残ってた二人も多分帰ってるだろうし」
「ん、じゃお疲れ」
結局話せるチャンスがあっても、私は彼に迷惑をかけるばかりだったし、仲良くだってなれなかった。
ただ、仲良くもない私のために暑い中待っていてくれた彼を見て、本当に優しい人なのだと私が一方的に印象を抱いただけ……。
もう少し踏み込めるようになるのはいつになるだろう。
『人は怖い、男の子はもっと怖い』
ずっと17年間、それが当たり前だと思って生きてきたのに
不思議だ
彼のことは、もっと知りたいと思ってしまう。
＿＿＿なんて、あまりにも単純思考過ぎるだろうか。
「＿＿＿香坂くん！」
彼は首を少し後ろに傾けながら振り向いた。
「また明日、頑張ろうね！」
これくらい言えなきゃ、勇気を出さなきゃ。
香坂くんは少し驚いた顔をしたけれど、
私には少しだけ、笑ったように見えた。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
開くたびにお気に入りとお星様の数が増えてて……
本当にありがとう御座います、進展遅いですが頑張ります！
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空汰(プロフ) - リリィ♪さん» ありがとう御座います！頑張ります！ (2019年7月11日 21時) (
レス) id: 388d3588fb (このIDを非表示/違反報告)
リリィ♪ - とても面白いです！私自身も人見知りなので感情移住出来て楽しく読めますし、続きも気になるのでこれからも頑張ってください！楽しみにしてます！ (2019年7月11日 1時) (レス) id: 250ee9a7d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空汰 | 作成日時：2019年7月9日 0時
