君が好き。No.2

第８４話 ページ44

おじいさんは「確か………」なんて、手を顎に持っていって上を向く
殺人？
Aはテロだと思ってるよな。
蓮人も？



祖父「たまたまテロと遭遇しただけで。」




勇「………」




たまたま遭遇って？
俺はますます思考がこんがらがってしまう




祖父「あいつが日本にいた時から、そいつらには狙われていたんだよ。」




勇「狙われてたって？」




顎にあった手が下に降り
………そのまま俺の肩に手をおく





祖父「仕事上でな。」





ん？ということは？
仕事上、そいつらに狙われていて、





勇「フランスに逃げた？」






祖父「逃げたというか、フランスの仕事を早めてあっちに行った、」






Aのお父さんって、そんな偉い人なんだ？
………すごいな。
無意識に顎に運んでいた手を、下におろす






勇「………なんとなく、分かりました」







祖父「あぁ。すまんな。そういうことだ」






おじいさんは力なしに、どことなく寂しそうに笑う
その横顔はどこかAと蓮人に似ていた
あの、たまになる、精神的な何かを受けた時の………






勇「大丈夫です。Aにも蓮人にも言いませんよｗ」






祖父「話が早いなｗ頭の回転が早いんだなｗ」






勇「ありがとうございますｗ」






おじいさんは先程の寂しそうな顔はもうなく、笑っている
Aに似てるな、なんて
凄く思った←

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