不在着信 (ページ9)

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九件：umbrella ページ9

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ぽつん、ぽつん、

安「雨降ってきちゃった、内村くん傘ある？」

颯「ないっす」

安「私の小さいけど入る？」

颯「これくらいの雨なら平気っす」

そういって内村くんは傘を差さず

私の少し前を歩きだす

颯「安藤さん、なんかありました？」

安「どうして？」

颯「悲しい顔してるから。俺で良ければ話聞きますよ」

私いつも顔に出ちゃってるんだろうな

ほんと情けない

安「…彼氏とうまくいってないの。私が一方的に好きなのかなって最近感じる」

颯「そういう時期って誰にでもありますよ！」

安「付き合って1年経つのに、まだ…」

颯「今より魅力的な女性になって振り向かせるしかないっすよ」

安「うん…」

颯「いや～でも既に安藤さんは魅力しかないと俺は思いますよ！だから男の方が見る目ないかもっすね！」

内村くんは雨に打たれ、
びしょびしょになりながら
笑顔で私にそういった

安「傘入って。濡れちゃうから」

颯「あ、ありがとうございます。じゃあ俺、差します」

折りたたみ傘の中に二人肩を並べる

安「あのさ、内村くん敬語やめよう？同い年なんだし」

颯「そうだね」

『はっくっしゅん！！！』

安「大丈夫？？」

颯「だいじｙ
　はっくっしゅん！！！」

安「家帰ってからだよく温めな」

颯「うん、やっぱ太陽出てないと俺調子悪いわ」

安「ふふっ、内村くん光合成しないとね」

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安「…じゃあ、わたし家こっちだからここで」

颯「じゃあまた明日

　あ、何かあったら俺いつでも聞くから」

安「ありがとう」

ぽんこつでいつもへらへらしてるけど

内村くんなりに元気づけようとする姿勢に

少しキュンとしてしまった

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