不在着信 (ページ47)

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四十七件：spice ページ47

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檜「口開けて」

言われた通り口を開ける、

キスじゃなかった( 当たり前

すると小さめの物体が口へと運ばれた

『パクッ』

「待って、これなに？？？」

檜「Aちゃんの大好きな人参」

「ねえええ、むり、出す！ん！」

檜「はははっ、だめ、食べて笑」

足をバタバタさせ檜山くんの肩を叩くも彼は満面の笑み

檜「克服しないとだめだよ？」

「むり！！檜山くんあげるこれ！ん！」

少し近づき背伸びをして口に入った人参を差し出す

檜「やめろって！いらねえ笑」

そうこう騒いでると

湧「え、お前らのカレーうまそーー！、全部檜山が作ったでしょ？」

「わたしもちゃんと作った！！野菜切ったよ！！」

芽「ぜったい嘘」

湧「ほんとかよ～～笑」

私が料理苦手なこと、二人は昔から知ってる

でも檜山くんに料理できない女なんて思われたくない…

檜「二人で一緒に作ったよね、」

「うん！」

湧「え～すごいじゃん、もうAお嫁さんになれんじゃん？？」

にやにやと私と檜山くんに視線を往復させる湧

「いいからもう向こう行ってよ～～！」

湧・芽『はーいごめんなさーい』

「いつもあーやってね、面白半分でからかってくるんだよ湧たち！」

檜「だってAちゃん、人参とジャガイモしか切ってねえもん、笑」

「ええ、あ、まあそうなんだけど、、ね」

事実だし何も間違ってないんだけど、さすがに好きな人に言われるとしんどい

檜「不器用だよねAちゃん、笑」

知ってる、そんなの分かってる

でも私なりに頑張ってたから、直接突かれると落ち込む

「バレてた？やだ～！」

私と違って安藤さんは完璧だもんね、役立たずだよわたしは、、

と心に思いながら彼に笑顔を向ける

檜「でもAちゃんなりに一生懸命頑張ってるところ、俺は好きだよ」

「え？、」

檜「そのままでいいよ」

私達のテーブルだけ一瞬静寂な時間が流れた

檜「……もうそろそろ舞香たち来るだろうしお皿に盛りつけちゃおっか」

「そうだね、私盛りつける！」

互いにお玉を掴もうとした手が触れ合ってしまった

「あっ、ごめん、」

檜「ううん、一緒にやろっか？」

「うん、、」

いつもに増して顔が火照る

いつまで経っても檜山くんに慣れずきゅんきゅんして恥ずかしい

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