不在着信 (ページ38)

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三十八件：melancholy ページ38

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浮き輪で水に一人プカプカ浮く平塚くん

黒い水着を着た美ボディの安藤さん

誰かにやられて砂浜に埋まり頭だけ出す颯太

立ってるだけで様になる深田くんとそれ見て騒ぐ女の子たち

そしてパラソルの下ですることのない私

『よいしょっと』

檜「なーにボーっとしてしてんの」

「ああ、」

水着姿の檜山くんが隣で顔を覗いてきた

ただでさえ暑いのに檜山くんと目が合って体温が上がってしまう

檜「内村助けてやんなよ、自力で抜けだせないよあれ笑」

きっとあれは平塚くんと深田くんの仕業

「檜山くんが助けてあげて」

檜「ったく、しゃーねえな」

檜「んじゃ、ちょっと背中日焼け止め塗ってくれない？」

「ええ」

よりによってどうしてわたし

檜「…気にしてる？舞香のこと」

「…うん、彼女に塗ってもらいなよ、」

檜「そんなのお互い様じゃん、」

「へ？」

檜「舞香だって、ねえ、うん」

波の音がさわつく中、笑いながら彼は囁く

「私は塗れない、」

気持ちとは裏腹な態度を取ってしまう、なんて捻くれ者なんだ

安『光ちゃんも喋ってないでおいでよ～！』

「ほら、行ってきなよ、」

本当は隣に居てほしかった

檜「うん、とりあえず内村救助してくるわ」

ギラギラした太陽が檜山くんを照らし始める

そうこう２時間が経過してとうとう退屈になり昼寝することに

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『はい、ジュース』

「ひゃっ、冷たっ」

誰かが私の右頬に冷たいジュースを当ててきた

ふと振り返れば私の避けていた黒田くんがいた

黒「こないだはごめん」

「…もういいよ、あれから安藤さんとはどうなの？」

きょろきょろしながら一番気になっていたことを聞く

黒「もう接してないよ、向こうも近づいてこない」

「そうなんだ」

黒「あの件で湧にめっちゃ怒られたんだよ、チクっただろ～笑」

「だって黒田くんが悪いもん」

黒「てかさ今日海行くって聞かされてなかったんじゃないの」

「ううん私が忘れてただけだよきっと」

黒「いや俺はね、真面目なAちゃんだったらそんな大事なこと忘れないと思うけど」

「だったとしてもそう思いたくないよ」

黒「女って怖いよな、男は表でボコるけど女は裏でやるじゃん？」

「何もないって」

黒「檜山も口にしないだけで色々分かってると思うよ」

「どういうこと？」

黒「じゃ、俺混ざってくるわ！」

意味深なことを言って皆の元へ行ってしまった

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