不在着信 (ページ25)

今日:18 hit、昨日:28 hit、合計:442,395 hit

二十五件：player ページ25

.

”忍魂忍魂ゼミナール” (いや、ネーミングセンス

講師「ここ受験で必須だから覚えておくようにな～」

　『はーい』

講師「今日の授業はここまでだ、お疲れ様」

　『お疲れ様でーす』

「先生ここの数学の問題が分からないんですけど、」

いつもなら颯太に教えてもらう数学も今日は仕方なく先生に聞く

講師「先生この後、個別授業あるから後日でもいいか？」

「分かりました、」

諦めて荷物を片付け教室から出ようとした

ドアにもたれかかった一人の男の子が近づいてきた

黒「どこが分からないの？」

「あ…っ、黒田くん、」

今一番会いたくない人に遭遇してしまった

また何か企んでいるであろう、、

黒「数学？俺、得意だから任せて」

「……だいじょうぶ！帰るね」

目の前にいた黒田くんをよけて塾を出た

不審者から避けるように

黒「Aちゃん、どうしたの？」

私の後を追って塾付近の公園までついてきた

「嫌い。黒田くんなんて大嫌い」

黒「そんなこといわないでよ」

「わたし見たよ。安藤さんといちゃついてるとこ。どういうつもり？」

「檜山くんが知ったら悲しむよ……」

黒「それ舞香から誘ってきたから」

「だからって最低だよ」

黒「彼氏がいようが関係ない、俺には」

「……どうして付き合ってもない人とできるの、」

黒「誰でも好意寄せられたら期待に応えたくなるっしょ」

私にも思い当たる節はあった

だから黙って俯いてしまった

「……」

黒「人間なんて、所詮都合のいい生き物だから」

黒「檜山がAちゃんに優しいのもそういうことだよ」

｢そんなの、、分かってるよ、｣

黒「両想いなんて表向きだけだから」

言葉が出なかった

黒田くんの言葉に洗脳されて

頭は真っ白だった

黒「俺のこと嫌いになっちゃった？」

黒田くんの顔も見たくなかった

「人生短いんだからたくさん恋させてよ」

突然、顎を掴まれ顔の向きを変えさせられた

「っやめてよ」

『んっ』

黒田くんの顔で視界いっぱいになって

気付けば口を塞がれそうになっていた

黒「してみる？」

「触らないで」

怖かった

すべてを見透かされそうで

すべてを奪われそうで

「自分の欲で他人を傷付けるようなことしないで！」

.