不在着信 (ページ23)

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二十三件：visit ページ23

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”内村家”

ピーンポーン、

『はーい』

「あの内村くんと同じクラスの奄美Aと申します、お手紙と宿題の方を…」

『あら、わざわざ届けに来てくれたのね。ありがとうね』

「内村くん大丈夫ですか？」

『颯太、今朝から微熱でね。あ、よかったら上がってちょうだい！』

「ありがとうございます」

『颯太の部屋二階の一番奥だから行ってあげて』

「はい、お邪魔します」

今日あったこと颯太に言おうかな、どうしようかなと

悩んでるうちに颯太の部屋の前に到着

コンコンコン、

「そうた？Aだけど、部屋入ってもいい？」

『 ……… 』

返事がない

物音もしない

「宿題と手紙持ってきたよ」

『 ……… 』

ここまできて開けないわけにもいかず、

「開けるね、」

ガチャッ、

部屋を見渡すと

颯太は小動物のように布団に潜り込んで寝ていた

起こさないように床に座り颯太の顔を眺めていた

顔は青白く目の周りに静脈がうっすり見える

息してるのかなって疑うくらい静寂

少しすると、

冷えピタとアイスの入った袋を持ったお母さんが入ってくる

『ごめんね～颯太寝ちゃってるわね、
　風邪移すといけないからリビングにどうぞあがって』

「お気遣いなく。わたしに内村くんの看病させてください」

『じゃあ頼んだわね、ありがとうAちゃん』

おでこをそっと触ると少し熱くて額に汗をかいている

「そうた、早く元気になってね」

冷えピタを一枚取り出し

前髪を上げて颯太のおでこに貼る

『っ』

「ごめん起こしちゃった？」

『冷たっ』

「体調大丈夫そ？」

颯「だい、じょuｂ、」

「大丈夫ね」

「颯太のお母さんがアイス買ってきてくれたよ、食べれそう？」

颯「うん、」

「無理に食べなくてもいいよ」

颯「食べさせて」

「あ…いいよ」

颯「冗談、自分で食べれるよ」

「もう、ばか」

颯「病人にばかはないよ」

「ごめん」

颯「今日は学校どうだった？」

「水泳の授業でタイムビリで放課後プール掃除した～」

颯「ふっ、なにそれ鬼じゃん先生」

颯「他にはなんかあった？」

「ううん！いつも通り楽しかったよ」

安藤さんが黒田くんとやってたなんて

颯太に言ったら熱上がっちゃうから

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