不在着信 (ページ16)

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十六件：kindness ページ16

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「先上がっていいよ！安藤さん待たせちゃうし」

檜「ううん、平気」

こちらに目も向けずブッカー貼りを黙々とする檜山くん

「わたしひとりでできるから、行って？」

檜「だめ、この量終わらない。一人じゃ」

「いいから！それより彼女大切にして」

檜「ごめん」

「おつかれさま！」

檜「借は今度返すから」

「うん」

申し訳なさそうに安藤さんの元へ向かう檜山くん

借なんていらないよ、期待させないで。

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………さみし

ひとりでできるって言ったけどかなり量あるじゃん

黒田くん暇してないかな

A黒田くん!ブッカー貼り手伝ってほしい!

Aちょっと今日中に終わらなそうで…

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檜「お待たせ」

安「８分遅刻」

檜「ごめん、行こ」

颯「あれ、檜山と安藤さん」

安「あら内村くん、また明日ね」

彼氏って、檜山かよ

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…３０分後

黒田くん既読無視じゃん、、

？「おまたっせ、待たせてごめんね」

「やっときた～～黒田くん～」

『よいしょっと』

作業を止めて見上げれば

少し微笑むうっちーが私の前に座っていた

「ん？なんでうっちー？」

颯「だってA、俺に連絡したじゃん、」

「ほんとだ…間違えちゃった」

黒田くんに送ったつもりがうっちーに送っていた

颯「あれ、檜山は？」

さっき会ったから知ってたけど聞いた

「用事あるから先に帰ったよ」

颯「この量、一人でやらせるってさすがにないわ」

「いやいや私が帰らせただけ！檜山くんは悪くない！」

颯「そっか、」

「ごめんね、うっちー部活だった？」

颯「今日は行かなくて平気。自主練だから」

「あ、どうせだから湧も手伝ってくれるか聞いてみる！！」

湧に連絡しようとスマホを取り出した

「えーっと、もとき、、わく、」

颯「……だめ」

「ん？」

文字を打つ指を絡ませて私の手を握った

颯「Aとふたりがいいから湧呼ばないで。だめ？」

「へ…？」

颯「ねえ、サボっちゃおっか」

「だめだよ！」

颯「いいの、ほら行こ」

「ちょっ、、」

床に放置された紙切れ達

うっちーに強引に右腕を引き寄せられ

図書室を出て階段を降りていく

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