運命の教会 (ページ22)

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愛ページ22

父｢転校何度もして、たくさん辛い思いさせて、ごめんな。｣

扉の前で、式が始まった時、父は言った。

｢え、あ、大丈夫だよ。お父さんこそ、大変だったでしょ｣

私は緊張で声が震えながら、父に返した。

すると、隣から鼻を啜る音が聞こえ、見てみると父が泣いてていた。

｢え、お父さん！？もう入場になっちゃうよ、！｣

式は始まっているため、声を小さくして必死に父の涙を止めようとした。

しかし、父は｢大丈夫だ、もう入場だろ、｣と前を向いた。

涙は止まっていないものの、私もまあいいかと思い、前を向いた。

【次は、新婦の入場です】

アナウンスが流れ、扉が開く。

天使の下で、こちらをみる絹張くんと目が合い、よろしくね、というように微笑んでみせると、絹張くんもふっと微笑んでくれた。

父｢Aを、よろしくな。｣

父は絹張くんにそう言って、戻って行った。

―ほらね、大丈夫って言ったじゃない。―

どこからか天使の声が聞こえた気がして、絹張くんの方を見ると、絹張くんも少し目を見開いて、てんし、と口を動かした。

―幸せになるのよ―

『もちろん』

天使の呼び掛けに、心の中でそう答え、永遠の愛を誓った―