運命の教会 (ページ12)

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襲撃ページ12

絹｢おうA！おはよう！｣

｢おはよう！｣

この間までのような朝を迎えられて嬉しかった。

だけど、今日はまだ始まっていなかった。

絹張くんと2人、朝一番に教室に入り、談笑していた時だった。

瑠｢おっはよ〜！あ！Aじゃ〜ん！ちょっと一緒にトイレ行こっ！｣

瑠奈と梨々花に腕を強く引っ張られ、私は席をたった。

ただ、私は2人の手の力に、明らかに怒っていることが読み取れた。

トイレに入るなり、思い切り壁に投げつけられ、肩に強い痛みを感じた。

瑠｢Aさ、なんであんな絹張くんと仲良いの？意味がわかんないんだけど。｣

梨｢こっちはずっと絹張くんが好きだったの。頑張って努力して、気を引こうとしてるんだから、邪魔しないで。｣

瑠｢あっちこっち行って、男誑かしてるんでしょ？もういいじゃん！！｣

瑠奈と梨々花のとてつもなく低い声に、私は声帯が止まったように声が出なかった。

瑠｢これ以上近付いたら、分かってるよね？｣

瑠奈はポケットからカッターを取り出して、カチカチと刃を出す。

梨｢まだまだたっくさん仲間はいるからね。｣

2人は最後に私を一蹴りしてからトイレを出た。

私は怖くなった。

暫く足が動かなくて、これからのことが怖くなって、絹張くんが好きで、辛かった。

涙が出てきた。

人が来たら大変だ...、そう思い、フラフラとした足取りで屋上に向かった。

屋上は普段は行けないけれど、特に鍵がかかっている訳でもないから、錆びたドアを開けて寝転がった。